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代表OBも「奇妙」と疑問視。名古屋の守護神ランゲラックはなぜ豪州代表のW杯メンバーに選ばれなかったのか【コラム】

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2022年11月19日

明らかにその“愛着”に基づいて選んだ

カタールW杯には5大会連続6回目の出場となる豪州代表。GSではフランス、デンマーク、チュニジアと対戦する。(C)Getty Images

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 しかし以前、オーストラリアがW杯出場を決めた直後にアーノルド監督は、「選手たちにも言ったが、本大会のメンバー入りは、誰も保証されていない。すべては彼らの実力、準備が整っているかどうかだ」と発言していた。

 また9月のニュージーランド戦の前には、「メンバーの26人に入るチャンスをできるだけ多くの選手に与える」と言葉を残している。

 指揮官は、苦しいW杯予選をともに戦った“愛着”のある選手だけで本大会のメンバーを選ぶわけではないようであった。にもかかわらず、GKに関して言えば、アーノルド監督とクローリーGKコーチは、明らかにその“愛着”に基づいて選んだ。

 実力を考えれば、ランゲラックはオーストラリア屈指のGKだ。長年に渡り、先発GK兼キャプテンに値することを証明してきたライアンに何か起こった場合、ランゲラックは完璧な代役になりうるはずだ。
 
 ペルーとの大陸間プレーオフでもヒーローとなった、PKのスペシャリスト、レッドメインは、PK戦までもつれた場合に出場できる。しかし、第3GKのヴコビッチがプレーする可能性は低いだろう。もし代わりにランゲラックが入っていれば、チーム内で明確な役割を持つゴールキーパーが3人になったはずだ。

 アーノルド監督をはじめとするコーチ陣の判断には一貫性がなく、説得力に欠ける。このことが、W杯本番での監督の采配や戦略に反映されないことを心から願う。フランスやデンマーク、チュニジアと難敵が揃うグループステージで、ライアンとその代役GKのパフォーマンスには注目したい。これ以上、ランゲラックが代表に選ばれるべきだったということが明白にならないよう祈るばかりである。

文●スティーブン・トムソン

[プロフィール]
スティーブン・トムソン/1993年生まれ、オーストラリア・アデレード出身。アデレード大学を卒業後に来日し、上智大学で日本語を学ぶ。日本のスポーツと文化に精通し、今春からサッカーダイジェスト海外編集部員に。好きなサッカークラブはアデレード・ユナイテッド、リバプール、そしてガンバ大阪。

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