新エースを誰に託すのか
もっとも、「カタノサッカー」で名を挙げた指揮官に非がないわけではない。8月の解任決定後、「リアクションが行けないとは決して思わないですし、前から守備に行くことがリアクションだとは思っていない」とGMの和田昌裕取締役は擁護したが、片野坂前監督はFWに対して過度の守備力を求めるがあまり、起用の顔ぶれが偏ったのは事実である。
薄氷を踏む戦いが続いたものの、J1残留というミッションを達成した松田監督が今季の最大の殊勲者だったことは言うまでもない。指揮官への「オレ」コールを聞いた宇佐美も、「マツさんにああいうコールをしてくれたサポーターに、僕らが逆に声援を送りたい感謝の気持ちでいっぱいです」と話したが、14年ぶりにJ1で指揮を執った老練な監督にG大阪は救われたのだ。
ただ、残留が決定した瞬間、すでに次なる戦いへのホイッスルは鳴っている。
鹿島に次ぐタイトルホルダーで、過去何度も大一番で火花を散らしあってきた名門のJ1残留に対して、カシマスタジアムに集った鹿島サポーターからも拍手が送られた。
スポーツの良さを示す美しい光景に宇佐美は「ありがたい対応でした」と素直に謝意を口にしたが、同時に「このハラハラ感を上位で味わいたい」と本音も口にした。
「もう来季に向けて明日から始まっている」。宇佐美が自らに言い聞かせるように口にした言葉は、クラブ幹部が噛み締める言葉でもあるはずだ。
松田監督との契約は基本的には今季限り。和田取締役を中心に、フロント陣は早急に来季の指揮官を定めることになる。
薄氷を踏む戦いが続いたものの、J1残留というミッションを達成した松田監督が今季の最大の殊勲者だったことは言うまでもない。指揮官への「オレ」コールを聞いた宇佐美も、「マツさんにああいうコールをしてくれたサポーターに、僕らが逆に声援を送りたい感謝の気持ちでいっぱいです」と話したが、14年ぶりにJ1で指揮を執った老練な監督にG大阪は救われたのだ。
ただ、残留が決定した瞬間、すでに次なる戦いへのホイッスルは鳴っている。
鹿島に次ぐタイトルホルダーで、過去何度も大一番で火花を散らしあってきた名門のJ1残留に対して、カシマスタジアムに集った鹿島サポーターからも拍手が送られた。
スポーツの良さを示す美しい光景に宇佐美は「ありがたい対応でした」と素直に謝意を口にしたが、同時に「このハラハラ感を上位で味わいたい」と本音も口にした。
「もう来季に向けて明日から始まっている」。宇佐美が自らに言い聞かせるように口にした言葉は、クラブ幹部が噛み締める言葉でもあるはずだ。
松田監督との契約は基本的には今季限り。和田取締役を中心に、フロント陣は早急に来季の指揮官を定めることになる。
「これだけの成果を出して頂いたので、候補の1人には間違いなく入る」と和田取締役は鹿島戦後にこう話したが、手堅い戦いをベースにした松田体制でさらなる上積みを目ざすのか、新監督のもとで新たなスタイルの再構築を図るのか、難しい二択を迫られる。
そして、来季監督の選定と同時に鍵を握るのは、絶対的な得点源の確立だ。
2012年以降、G大阪で二桁ゴーラーが不在だったのは2016年の長沢駿とアデミウソン(それぞれ9得点)、2020年のパトリック(9得点)のみ。もっとも、2016年のFW陣は今思えば、贅沢な数字であるのが寂しい限りだ。
今季はパトリックがチーム最多の5得点で、レアンドロ・ペレイラが4得点。それに続くのが3得点のダワンと小野瀬康介という近年例を見ない低調な数字である。
宇佐美とともに三冠獲得に貢献したパトリックは今季限りでクラブを去るが、新エースを誰に託すのか。
クラブ史上2度目の悲劇は回避したが、G大阪は依然、その岐路に立たされている。
取材・文●下薗昌記(サッカーライター)
【PHOTO】手拍子で後押し!ホーム吹田に駆けつけたガンバ大阪サポーター!
そして、来季監督の選定と同時に鍵を握るのは、絶対的な得点源の確立だ。
2012年以降、G大阪で二桁ゴーラーが不在だったのは2016年の長沢駿とアデミウソン(それぞれ9得点)、2020年のパトリック(9得点)のみ。もっとも、2016年のFW陣は今思えば、贅沢な数字であるのが寂しい限りだ。
今季はパトリックがチーム最多の5得点で、レアンドロ・ペレイラが4得点。それに続くのが3得点のダワンと小野瀬康介という近年例を見ない低調な数字である。
宇佐美とともに三冠獲得に貢献したパトリックは今季限りでクラブを去るが、新エースを誰に託すのか。
クラブ史上2度目の悲劇は回避したが、G大阪は依然、その岐路に立たされている。
取材・文●下薗昌記(サッカーライター)
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