「ワールドカップに出られなかったら、血の雨が降る」
2か国目はイランとは全く状況が違う。今度はFIFA自身が出場を禁止すると勧告をしている。その相手はチュニジアだ。「若者とスポーツ省」の大臣を務めるデギーシュ氏はこれまでも同国のサッカー協会の決定に何度も介入している。今回は10人以上の協会役員を勝手に解任させた。また彼の言うことを聞かなければサッカー協会を解散させると脅かしたとも言われている。
FIFAは各国政府がサッカー協会に干渉することをひどく嫌う。今回も激怒し、5日以内に介入問題を解決しなければ、協会の業務停止とチュニジアの代表とクラブの国際大会の出場を禁止することを正式に書簡で告げた。
この文章を送ったFIFAのセクレタリー、ケニー・ジャン・マリはかなりの強硬派で、有言実行なところがある。すでにケニアやジンバブエに同じような処分を下している。彼らは2023年のアフリカ・カップには出場できない。
これに嘆くのは、目前でW杯出場の夢を奪われるのかもしれない代表選手だ。
「すべての苦労が水の泡だ。ワールドカップに出られなかったら、チュニジアには血の雨が降る」
期限の5日は過ぎたがチュニジア側はまだFIFAに返事はしていない。返答までの猶予を求めているだけだ。
FIFAは各国政府がサッカー協会に干渉することをひどく嫌う。今回も激怒し、5日以内に介入問題を解決しなければ、協会の業務停止とチュニジアの代表とクラブの国際大会の出場を禁止することを正式に書簡で告げた。
この文章を送ったFIFAのセクレタリー、ケニー・ジャン・マリはかなりの強硬派で、有言実行なところがある。すでにケニアやジンバブエに同じような処分を下している。彼らは2023年のアフリカ・カップには出場できない。
これに嘆くのは、目前でW杯出場の夢を奪われるのかもしれない代表選手だ。
「すべての苦労が水の泡だ。ワールドカップに出られなかったら、チュニジアには血の雨が降る」
期限の5日は過ぎたがチュニジア側はまだFIFAに返事はしていない。返答までの猶予を求めているだけだ。
ところで気になるのが、もしこの2か国が出場できなかったならどこが代わりに出場するかだ。イランの代わりはUAEもしくはペルーだろう。UAEはアジアで最後までプレーオフに残った国であり、ペルーはアジア南米の大陸間プレーオフに最後まで残っていたからだ。
一方、チュニジアの代わりは、なぜかイタリアと言われている。その根拠はイタリアは出場できない国のうちで、一番FIFAランキングが高いから。FIFAがひそかにイタリアに準備を打診したという噂もまことしやかに流れてくる。しかしアフリカのチュニジアの代わりにヨーロッパのイタリアが入るのはおかしい。アフリカの非出場国で一番FIFAランキングの高いナイジェリアか、アフリカ3次予選で直接チュニジアと戦ったマリが妥当なところだろう。
それにしてもチュニジアもイランもアラブの国だ。初のアラブ開催のW杯でケチが付くのは何とも皮肉な話だ。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
一方、チュニジアの代わりは、なぜかイタリアと言われている。その根拠はイタリアは出場できない国のうちで、一番FIFAランキングが高いから。FIFAがひそかにイタリアに準備を打診したという噂もまことしやかに流れてくる。しかしアフリカのチュニジアの代わりにヨーロッパのイタリアが入るのはおかしい。アフリカの非出場国で一番FIFAランキングの高いナイジェリアか、アフリカ3次予選で直接チュニジアと戦ったマリが妥当なところだろう。
それにしてもチュニジアもイランもアラブの国だ。初のアラブ開催のW杯でケチが付くのは何とも皮肉な話だ。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。