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退団騒動、出場なしに激怒…アセンシオがブーイングを拍手喝采に変えたプレーとは?【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2022年09月30日

自らアンチェロッティ監督と話し合いの場を持ち、気持ちを伝えた

 しかしマドリーにおいては、状況は好転しないまま移籍市場が開き、ジリジリした夏を過ごした。バルデベバス(マドリーの練習場)で日々アセンシオと接していたクラブ関係者によると、ずっとフワフワした様子で、移籍期間終了2日前にアンチェロッティに残留を告げた後も正しい決断を下したかどうか半信半疑のままだったという。

 そんなアセンシオが最初に不満を示したのが、交代枠5人を使い切ったにもかかわらず、自身には出番が回ってこなかったUEFAスーパーカップのフランクフルト戦だ。試合後、自らの希望でアンチェロッティ監督と話し合いの場を持ち、気持ちを伝えた。指揮官は、「マドリーに残るなら、戦力の1人として計算する。でもまずは市場が閉まるまで動向を見守らなければならない」と答えたが、同じく来年6月に契約が満了し、去就が宙ぶらりん状態にあるダニエル・セバジョスがそうであるように、アセンシオの退団はチームにとって痛手になると考えていた。

【画像】ビブスを投げつけて、ペットボトルと蹴り上げる!アセンシオがブチギレた衝撃シーン
 結局、残留を選択したわけだが、マジョルカ戦でひと悶着起こした。開幕以来、ベンチを温める試合が増える中、アセンシオはウオーミングアップして出番に備えていた。しかしルーカス・バスケスが負傷し、アンチェロッティは急遽ダニエル・カルバハルを投入。これでマドリーは交代機会3回を使い切った。

 チームメイトの負傷の煽りを受ける形となったアセンシオは、ベンチに戻ると怒りを露わにした。指揮官は、試合後、気持ちは理解できると擁護したが、去就問題に加え、新たに騒動が発生し、ライプツィヒ戦でベルナベウからブーイングで“歓迎”されるに至ったのだった。

 しかしそれも身を挺してピンチを阻止したプレーが帳消しにした。近しい関係者は、自ら移籍を匂わすような言動をせず、ライプツィヒ戦のようなプレーをこれからも続けていくことが、契約延長への最短ルートになると強調する。

 ベルナベウとの決定的な和解は、ゴールを決めた後に起こった。アセンシオはピッチに倒れ込み喜びを表現すると、観客席に視線を向けて手を叩いた。クラブの関係者はこう証言する。

「マドリディズモを知っている。ファンにゴールを捧げたんだ」

文●ダビド・アルバレス(エル・パイス紙レアル・マドリー番)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。

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