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三笘や伊東のように――神戸内定の泉柊椰が偉大なサイドアタッカーになるために、“トップ下”は重要な経由地に

カテゴリ:大学

安藤隆人

2022年09月26日

「真ん中の位置から仕掛けることは重要」

「自分の適性はサイドアタッカーだと思いますが、選手としてのキャパを広げられることは良いと思っています」

 先述の海外遠征でも成果を発揮した。カンボジア戦の14分にペナルティエリア内左で、一瞬で加速して相手をワンタッチで剥がすと、右インフロントで正確なクロスをファーサイドに入れて、FW小森飛絢(新潟医療福祉大4年/ジェフユナイテッド千葉内定)の先制弾をアシスト。

 密集地帯で冷静に足もとにボールを収め、細かいボールタッチと一瞬の加速で結果を生み出したシーンだった。それ以外でもこの海外遠征では、大胆なサイドアタックと中央に入っていっての緻密なプレーを発揮した。

 泉が得た新たな可能性。たった45分間のプレーが、これまで彼自身が持ち続けていた、ある悩みの答えも導き出した。
 
「ドリブラーゆえの悩みはいろいろ持っています。ドリブルが得意な割には結果が伴っていないので、もっとゴール、アシストの結果を出さないといけないとずっと思っていました。そうなると真ん中の位置から仕掛けることは重要になってきますし、そこでキレを駆使して相手を剥がすことができれば、その相手はセンターバックなので、あとはキーパーしかいない状態になって決定的な仕事ができる。

 日本代表を見ていても、三笘薫選手や伊東純也選手はただ速いだけではなく、前にぐいっと行けるからこそ怖いじゃないですか。やっぱりゴールに迫れるドリブラーじゃないと、A代表には入れないし、上には行けないと思っています。

 個人的にトップ下も面白いと感じましたし、全部吸収して成長につなげたいと思っているので、いろんな壁を越えていきたい」

 難しいと感じるからこそ、工夫しないといけない。ただそのポジションに適応するだけではなく、自らの武器をフルに生かせるようにしないといけない。トップ下での経験は、泉が今後、偉大なサイドアタッカーになるための重要な経由地になるはずだ。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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