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南野拓実はタレント揃いのモナコでレギュラー争いを勝ち抜けるか? 指揮官が語る可能性「タキにはインテリジェンスがある」

カテゴリ:海外日本人

河治良幸

2022年09月19日

南野に立ちはだかるモナコの選手層

モナコのクレマン監督。ランス戦の南野のパフォーマンスを「彼にとってパーフェクトな結果だった」と評価した。(C)Getty Images

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 ここまでの起用が決して“冷遇”でないことは確かだろう。ただ、やはりモナコはリーグ・アンでも屈指のタレント力があり、ハイレベルな競争の上に成り立つチームだと感じさせる試合でもあった。

 4-4-2をベースとする前線には、エムボロとベン・ヤーデルという欧州でもトップクラスのFWがおり、サイドハーフにはランス戦で先制点を挙げたウクライナ代表のゴロビン、左利きで将来性豊かなU-20フランス代表のマゲネス・アクリウシェなどがいる。

 特にゴロビンは、縦の突破力に優れるサイドアタッカーで、伊東のように個人でも局面打開できる選手だ。一方でアクリウシェはテクニカルで、左利きながら右足も器用に使うなど、まさしくインテリジェンスがある。

 南野がチームのフィジカルや戦術にフィットしていっても、そう簡単にスタメンで継続的に出られる選手層ではないだろう。ただ、必要なスタンダードを満たしたうえで、対戦相手や状況に応じて選手を起用していくのがクレマン監督の仕事だ。
 
 残念ながらチャンピオンズリーグ(CL)は予選敗退してしまったが、ヨーロッパリーグ(EL)優勝はモナコとして十分に達成可能な目標だ。しかしリーグ・アンは、王者パリ・サンジェルマンをはじめ、リヨン、マルセイユ、リールなどとの競合に打ち勝っていくために、スタートの11人だけで勝ち続けられるほど、やわなリーグではない。

 筆者はたまたま、この試合の前にブンデスリーガのシュツットガルトとフランクフルトの試合を取材したが、コンタクトプレーなど、フィジカル的なタフさは勝るとも劣らないものを感じた。そうした環境で、4-4-2にしても2トップ、左右のサイドハーフをこなせる南野は重要な戦力になっていくはずで、カタール・ワールドカップに向けてパフォーマンスを上げていくためにも、モナコは良いチームであるはずだ。

 ただし、カタール後も続く個人のキャリアで考えれば、重要なオプションで止まるのでは、プレミアリーグ屈指の強豪であるリバプールから来た意味を証明することにはならない。本当にモナコの中心的なアタッカーになっていくには、多くのハードルがあるのは間違いなさそうだ。

取材・文●河治良幸

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