中盤の右には川崎の家長昭博。無双感が漂いまくっている。個人のスキルは言うまでもないが、山根視来、脇坂泰斗のユニット３人が生み出す右サイドのコンビネーションは最強で、チケット代の元を取れるどころかお釣りも十分に出る。

　左には川崎のマルシーニョ。個人での突破だけでなく、福岡戦ではハットトリック！ ゴール前でも仕事ができるマルシーニョ。今後もゴールを増やしていきそうな予感。

　前線は３トップで中央には清水のT・サンタナ。ゴールはもちろん、シュートシーン以外のプレーでも貢献度が高い。競り合いのシーンで身体のブレが少なく、ジャンプしてもあまり体勢が崩れないことがプレーの安定感を生んでいる。
 

　右には広島のナッシム・ベン・カリファ。ガンバ大阪戦のハットトリックはすべてファインゴール。満田誠のパスをワンタッチで流し込んだ３点目は絶妙。コース、タイミングともに完璧だった。

　左にはFC東京のアダイウトン。柏戦でのパフォーマンスだけでベストイレブンに入れる価値がある。ドリブルの爆発力は強烈で、誰も止められない。システム、戦術、戦略。そんなものを個人の力で叩きのめすような怖さがあった。

　ボールを受けた瞬間にゴールまで行きそうな雰囲気が漂う。「これはシュートまでいくぞ！」と思ったら、本当にドリブルから決めきってしまった。中継を見ていて、降参的気持ちになり笑ってしまうほどのハイパフォーマンス。圧倒的でした。

　最後にMVPは川崎の家長昭博。右サイドの空間を制し、時間を操る。時空を歪めてしまようなプレーぶりは「ウルトラQ」のオープニングの渦の映像を思い出してしまう（私だけか）。いつも以上に無双感漂う家長昭博の８月のパフォーマンスはMVPにふさわしい。

取材・文●平畠啓史

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