アンチェロッティはある稀有な資質を有していた
マドリーは、伝統的に監督が長期政権を築くことが困難なクラブだ。影響力を持つのはいつも選手であり、会長だ。アンチェロッティもその犠牲となった1人で、デシマ(10度目のCL制覇)を達成した翌年、追われるように去っていった。だから昨夏、彼の帰還が発表された時も、周囲にはどこか冷ややかな空気が流れた。
しかし、アンチェロッティはある稀有な資質を有していた。誰とでも打ち解けられる性格だ。敵も味方も、その中間的な立場を取る人間も、同じように魅了してしまう。その公明正大かつ偽りとは無縁の素朴さで、ドレッシングルームとスタジアムに仲間意識を醸成した。
しかし、アンチェロッティはある稀有な資質を有していた。誰とでも打ち解けられる性格だ。敵も味方も、その中間的な立場を取る人間も、同じように魅了してしまう。その公明正大かつ偽りとは無縁の素朴さで、ドレッシングルームとスタジアムに仲間意識を醸成した。
息子のダビデがコーチングスタッフに入閣したからといって変な憶測が飛び交うこともなかった。ベイルやアザールの取り巻きとの間に諍いも起こらなかった。今シーズンのマドリーの快進撃は、ベンゼマ、クルトワ、モドリッチ、ヴィニシウスらを抜きに語ることができないが、その彼らを掌握し、チームを1つにまとめ上げたのがアンチェロッティの手腕だ。
ともあれそれも昨日の出来事だ。マドリーの歴史においてデシモクワルタ(14回目の優勝)はすでに旧石器時代に属している。すでに監督と選手のベクトルはデシモキンタ(15回目の優勝)に向かっている。なぜならそれがマドリーだからだ。
文●ホセ・サマノ(エル・パイス紙マドリー番記者)
翻訳●下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。
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文●ホセ・サマノ(エル・パイス紙マドリー番記者)
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