女子サッカーに未来はあるのか。“WEリーグ”に託された使命。プロ化初年度の収穫と課題

カテゴリ:女子サッカー

西森彰

2022年05月19日

上位チームを相手に幾多のジャイアントキリングが

初代女王に輝いたI神戸。シーズン2試合を残し、15勝2分1敗と圧倒的な成績でタイトルを掴んだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 WEリーグが始まってから、競技面ではどのような変化があったか。この日、決勝ゴールを挙げた安藤は「どのチームも(彼我の力、長短を)分析して、拮抗した戦いができる」と口にした。

 2つのクラブ(大宮アルディージャVENTUS、サンフレッチェ広島レジーナ)が新設されたことにより、選手の流動性が高まった。また、リーグ開幕前に半年間、さらにシーズン半ばにもウインターブレイクが置かれ、チームを再編する時間が設けられていた。

 なでしこ1部から参入したチームの優位は動かないと思われたが、その他のチームも食い下がった。また、降格制度が設けられなかったことで、下位チームのモチベーション低下が心配されたが、優勝争いのプレッシャーがかかる上位チームを相手に、幾多のジャイアントキリングが起きている。

 練習時間が昼ベースになるなど、環境面が改善されたことで、選手のアスリート能力も高まっている。この日、勝利した浦和Lには体格が大きく、スピードのある選手も増えてきたが、南萌華は「全体練習時間以外で、個々の選手がフィジカルトレーニングを取り入れている」とその理由の一端を説明する。日常の中で、サッカーに振り向けられる時間が増え、強度の高いゲームが増えた。
 
 環境の充実は、選手寿命も伸ばすことにもつながるだろう。今季、I神戸を初めて完封した広島RのGK福元美穂や、国立決戦の安藤に続き、翌日の3位攻防戦で日テレ・東京ヴェルディベレーザに決勝点をもたらした宇津木瑠美。観客に映像メッセージを送った川澄奈穂美など海外で活躍する選手だけでなく、2011年に世界を制したチームのメンバーは、国内でその経験をリーグへ還元している。

 若手も負けてはいない。「ベテラン、中堅にも良い選手はいるが、2011年の優勝を見てサッカーを始めた世代には、より大きな可能性があると思う」とはI神戸の星川敬監督。国立での浦和L戦では「10年前にはいなかった選手のひとり」とユース生え抜きの天野紗を、今季初のスタメンに抜擢。天野は、積極的な仕掛けで、才能の片りんを見せた。日テレ・東京ヴェルディメニーナやセレッソ大阪堺レディースが皇后杯で躍進したように、WEリーグでの活躍が手の届く目標になっている選手も多い。

【動画】鮫島彩、成宮唯、松原優菜…WEリーグ第20節ピックアッププレー、強烈シュート8連発!
 
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