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【孤高のサムライ戦記|小川慶治朗】豪州の地で10代の自分がフラッシュバック。「本当の勝負」と意気込む30代はサラーのように

カテゴリ:海外日本人

元川悦子

2022年05月17日

「やっぱりサッカーは楽しまなアカン」

持ち味である“裏への抜け出し”を存分に発揮。だがシーズンを通じて2得点という結果には満足できていない。写真:本人提供

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「みんなでグラウンドに出るとか食事を一緒に食べるとか決まったルールがあって、それが分からず何度も怒られましたね(苦笑)。でもピッチ内での意思疎通は何とかなった。アタッカーなんで細かい指示を出すDFやMFよりは恵まれていたと思います。

『ビハインド』と言われれば、敵の背後に抜け出せばいい。僕は育成年代から『裏抜け』を武器にしてきましたけど、シンプルにそれを出せばよかったし、面白いように裏を取れた。正直、あれだけ飛び出せたのはプロになってから初めて。当時のカール・ロビンソン監督も評価してくれて、先発で使ってもらえました」

 小川がいち早く察知したAリーグの特徴は、「サイドのスペースが生まれやすい」ということだった。日本だとチャレンジ&カバーの原則を全員が徹底するから、ペナルティエリア付近がガラ空きになることはそうそうないが、Aリーグのサイドバックは戦術理解度が低いケースが多かった。味方GKのロングキックに飛び出し、そのまま相手GKと1対1のビッグチャンスが生まれるなど、推進力ある小川は非常にやりやすさを感じたという。

 だが、徐々に状況が変わっていき……小川はしみじみと語る。
 
「それで得点を量産できていたらよかったけど、ゴール数は伸びず、チームも勝てなくて、1月に監督が交代してしまったんです。後を引き継いだマーク・ルダン現監督は守備を強く要求する指導者。それまでのように裏の駆け引きだけをしていればいい状況ではなくなりました。僕は右サイドハーフで出ることが多かったんですけど、後ろのケアに気を取られて、攻撃の迫力が低下しましたね。

 加えて言うと、監督が威圧感を押し出すタイプで、強い口調で指示するため、チーム全体が難しい雰囲気になりました。そのやり方でモチベーションが上がり、結果が出ていた時期もあったけど、やっぱりサッカーは楽しまなアカンなと痛感した。いずれにしても、自分自身の2点という数字、8位というチームの結果を含めて、不完全燃焼感はありましたね」

 それでも未知なる環境で真っ向勝負した1年間は、小川の人生にとって大きな財産になったのは間違いない。「背後への突破」という本来の強みを再確認できたのは最大の収穫だった。
 
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