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現地紙コラムニストが綴る【武藤嘉紀のブンデス挑戦記】「練習場に押し寄せる日本のメディアの狂騒を指揮官も憂慮」

カテゴリ:ワールド

ラインハルト・レーベルク

2015年08月19日

2節ボルシアMG戦ではスタメン出場も。

堅守速攻の展開が予想される2節のボルシアMG戦、武藤はCFで先発出場も。 (C) Getty Images

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 マインツの練習場には、つねに多くの日本人記者が集まる。日本のメディアのあまりの盛り上がりようを、クラブ側は心配している。
 
 武藤はまずチームに慣れなくてはならないし、チームも武藤に慣れなくてはならない。そのためには時間がかかるのだ。シュミット監督も状況を憂慮している。メディアのハイプ(狂騒)が、武藤に余計なプレッシャーを与えていると感じているのだ。
 
 武藤は日本からの期待に応えたいと思っている。それも、できるだけ早く。これが彼から軽快さや自然さ、自由を奪っている。それらはすべて、発展のプロセスに必要なものなのに。
 
 ハダマー戦での武藤は、右サイドで積極的に走り、野心的であったが、そのプレーはまだとても個人的な感じがした。
 
 武藤には例外的な才能がある。ボールを受ける時と運ぶ時の輝くようなテクニック、スピード、巧みなドリブル、瞬時のターンや身のこなし。しかし、組織の一員として機能しているとは、まだ言い難い。
 
 相手のサイドバックとセンターバックの間に走り込み、声を出してボールを要求しても、そこにパスが出てこない。チームメイトは(戦術的に)与えられたパスコースを選ぶのだ。それでも武藤は勇気を失うことなく、何度もそれを続ける。
 
 ハダマー戦の先制点は、武藤が得たFKから生まれた。ドリブルで仕掛けてファウルを誘い、このFKをデ・ブラシスが直接決めた。
 
 52分にはスルーパスを受け、ゴールに向かってドリブルし、シュート。枠を捉えたシャープな一撃は、しかしGKに防がれた。
 
 75分、ゴール前に抜け出してシュート。これはサイドネットの外側を揺らすにとどまった。77分にはセンターから素晴らしい縦パスを送ったが、GKと1対1になったジムリングが外した。
 
 マインツは23日、アウェーでボルシア・メンヘングラッドバッハと対戦する。武藤がプレッシングとカウンターを機能させるセンターフォワードとして、初めてスタメン入りする可能性がある。マインツの劣勢が予想されるこの試合、エリア内で強さを発揮するポストワーカーのニーダーレヒナーは、前線の有効な選択肢ではないからだ。
 
 スピーディーなドリブルや裏を狙うスプリントといった武藤の持ち味が、メンヘングラッドバッハを相手に活きるかもしれない。
 
文:ラインハルト・レーベルク 「マインツァー・アルゲマイネ新聞」コラムニスト
翻訳:円賀貴子
 
Reinhard REHBERG
ラインハルト・レーベルク
『ライン新聞』で1987年から27年に渡ってマインツの番記者を務める。現在はフリーで、『マインツァー・アルゲマイネ新聞』のコラムニストを務める一方、監督業を志す指導者に向けたコーチングも行なっている。マインツ出身、57年7月30日生まれ。
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