W杯本戦へ向け求められる柔軟な対応
相手がフレッシュな前半は、すき間でパスをつなぐと、引っかかってショートカウンターを食らうリスクが大きい。雨が降り、芝の不安もあるなかで、ロングボール中心に組み立てるのはゲームプランとして成立する。吉田麻也によれば、オーストラリアが後半に動きが落ちるデータもあったそうで、だからこそ後半はパスをつなぎやすくなった面はある。90分全体を踏まえれば、前半と後半の流れは采配として理にかなうものだ。
全体的には妥当だったが、課題を挙げるなら、決定機を外し続けたことに加えて、もう少し前半のリスクを抑えられなかったものか。
オーストラリアは、長友佑都が高い位置へ出ることを逆手に取り、10番のアイディン・フルスティッチが長友の背後へ流れて起点を作り、脅威を生み出した。フランクフルトで長谷部誠や鎌田大地と同僚でもある彼は、左利きの利点を生かし、相手から遠い場所でボールを収めていく。仕掛けやシュートも危険に満ちていた。彼以外に怖い存在はなかったが、彼は怖い。
全体的には妥当だったが、課題を挙げるなら、決定機を外し続けたことに加えて、もう少し前半のリスクを抑えられなかったものか。
オーストラリアは、長友佑都が高い位置へ出ることを逆手に取り、10番のアイディン・フルスティッチが長友の背後へ流れて起点を作り、脅威を生み出した。フランクフルトで長谷部誠や鎌田大地と同僚でもある彼は、左利きの利点を生かし、相手から遠い場所でボールを収めていく。仕掛けやシュートも危険に満ちていた。彼以外に怖い存在はなかったが、彼は怖い。
長友の裏で対応したのは、左CBの吉田だ。むやみに突っ込まず、慎重に対応したが、裏面を見ればフルスティッチを自由にさせ過ぎた。フルスティッチも、吉田に近寄り過ぎず、吉田が出るかどうか迷うくらいのサイドに顔を出すため、対応は難しかったはず。遠藤航らを含め、もう少しうまく対処できれば良かった。
また、フルスティッチの狙いに気付いたとき、吉田と板倉滉のポジションを入れ替えるのも一つの手だったのではないか。この2人のキャラクターを見れば、板倉がチャレンジし、吉田が真ん中のカバーに残るほうが、配役のバランスがいい。吉田はビルドアップ時も左CBに入ると、ぎこちなさと周囲とのタイミングのずれが散見されたので、攻守両面で板倉と吉田の位置を入れ替えるのは一つの手だったと思う。
今季のJ1リーグ第10節、川崎フロンターレ対浦和レッズでは、川崎のCB谷口彰悟と山村和也が、ピッチ内の選手判断で左右のポジションを入れ替え、浦和の攻撃にうまく対処していた。そのクラブの呼吸感を、時間のない代表チームで実現するのは容易ではないが、ワールドカップへ向けた課題というか、対処アイデアの一つに加えてもいいのではないか。
オーストラリアは前半に3本のCK機会があったが、フルスティッチを抑えていれば、数はもっと減ったはず。彼を管理できれば、まったくケチの付かない試合になっただろう。フルスティッチのように脅威を生み出す選手、あるいはそれを上回る選手がワールドカップにはごろごろいるので、より柔軟に対応したいところだ。
文●清水英斗(サッカーライター)
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また、フルスティッチの狙いに気付いたとき、吉田と板倉滉のポジションを入れ替えるのも一つの手だったのではないか。この2人のキャラクターを見れば、板倉がチャレンジし、吉田が真ん中のカバーに残るほうが、配役のバランスがいい。吉田はビルドアップ時も左CBに入ると、ぎこちなさと周囲とのタイミングのずれが散見されたので、攻守両面で板倉と吉田の位置を入れ替えるのは一つの手だったと思う。
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