「自分の目標は世界一のセンターバックになること」
そして、10日。チェイスは再び違う色のユニホームを着ていた。高校選抜の一員として、デンソーチャレンジカップサッカーに出場するためだ。相手は各地域の大学生選抜。チームの中では年上の相手と戦う経験を誰よりもしており、プレー面で不安はない。ただ、前日に千葉県内でU-21代表のトレーニングマッチに出場しており、2日連続の出場はないだろうと思われていた。だが、本人はやる気十分。ベンチスタートとなった関東選抜B戦では試合開始からソワソワした素振りを見せ、前半途中からはアップゾーンで立ち上がったまま戦況を見つめるように。後半に入ってようやく身体を動かし始めると、70分過ぎに仲村監督から声がかかる。本人は試合に出る気満々でジャージを脱ごうとしたのだが、監督からは「話がしたいだけだ」と、冗談交じりに言われてしまう。流石に今日の出場はないだろうと思っていたが、言葉を交わした直後から出場の準備が始まったのだ。
投入されたのは1-1で迎えた78分。しかも、本職ではないFWでの出場だった。だが、周りを鼓舞しながら懸命にプレーし、80分には鮮やかなスルーパスでチャンスを演出。82分にも左サイドから決定機を生み出すなど、FW顔負けのプレーで存在感を発揮した。最終的にゴールは奪えなかったが、改めてチェイスの潜在能力を知らしめることになった。
この3か月でチェイスは母校の尚志を含め、5チームでプレーした。メンバーが変わるだけではなく、監督も戦術もチームによって異なる。頭が混乱してもおかしくないが、チェイスは前向きにプレーを続けてきた。持ち前の明るさで周りを巻き込む姿もいつも通り。ピッチ内外でその存在感は絶大だった。
投入されたのは1-1で迎えた78分。しかも、本職ではないFWでの出場だった。だが、周りを鼓舞しながら懸命にプレーし、80分には鮮やかなスルーパスでチャンスを演出。82分にも左サイドから決定機を生み出すなど、FW顔負けのプレーで存在感を発揮した。最終的にゴールは奪えなかったが、改めてチェイスの潜在能力を知らしめることになった。
この3か月でチェイスは母校の尚志を含め、5チームでプレーした。メンバーが変わるだけではなく、監督も戦術もチームによって異なる。頭が混乱してもおかしくないが、チェイスは前向きにプレーを続けてきた。持ち前の明るさで周りを巻き込む姿もいつも通り。ピッチ内外でその存在感は絶大だった。
「謙虚で素直」。尚志で指導に携わった仲村監督は常々アンリについてこう評しているが、そのスタンスはどこにいっても変わらない。だからこそ、どこに行っても誰からも愛されるのだろう。
「自分の目標は世界一のセンターバックになること。この世代で海外でやっていける選手は多いけど、自分もこの世代で中心選手にならなければいけない。でも、このままでは自分の目標は達成できないと思う。自分も海外クラブの練習に参加して、『本当にヤバい』と感じたし、今のままでは全然通用しない。これからもっと死に物狂いでやらなければいけない」
貪欲な姿勢を崩さないチェイスが目指すゴールはもっと先にある。注目される今後の進路は現時点で明確にはなっていないが、今は与えられた場所で懸命にプレーし、さらなる進化を目指すだけだ。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)