開幕目前!! 本田圭佑オーナーのSVホルンは、なぜ榊翔太を獲得したのか?

カテゴリ:ワールド

斉藤宏則

2015年07月30日

1週間のチーム合宿を終えた榊の前に、本田が現われた。

出国直前にインタビューに応じてくれた榊は、育ててくれた札幌への感謝と、念願だった海外挑戦への熱い思いを語った。(C)Hironori SAITO

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 時計の針を戻そう。
 
 6月30日にホルンは、東京都内で日本人選手を対象にしたトライアウトを開催したが、時を同じくしてオーストリアの地では国籍を問わない熾烈な外国籍選手枠争いが行なわれていた。6月27日に現地入りした榊は、ホルンが合宿を行なうインスブルック近郊に移動しチーム練習に参加。そこでは世界各国から数多くの選手が練習参加し、契約を勝ち取るべく鎬を削り合っていたのだ。
 
「いろんな国から選手が入れ替わり立ち代わり練習に参加していました。数えきれないくらい。ざっと数十人ってとこでしょうか。すぐに帰らされてしまう選手もいましたから、改めてシビアな世界だと感じましたね」
 
 だが、そこで榊は戦った。身長163センチという小柄な選手が、欧州規格の選手たちと同じことをしていて勝ち抜けるほど甘い世界ではないことを感じ取り、少しでもその存在をアピールすべく全力を注いだ。
 
「本当にいろいろな方のご協力があって、ここまで来た。絶対に合格しなければいけないと思っていましたし、『そこの日本人、空いてるポジションに入ってくれ』と言われるようなことになっては絶対にいけないと思いました。ですから、ゲーム形式のメニューが始まる時には誰よりも早くFWのポジションに走っていって『オレのポジションはここなんだ!』ということを、常に誰よりもアピールしていったんです」
 
 そうして無理矢理にでも自らの居場所を確保していった榊は、紅白戦や練習試合で着実に得点を奪っていく。「言葉が分からなくて、連係面での小さなミスなどもあった」と振り返るが、得点という明確な結果ですべてを凌駕していった。
 
 7月3日までの合宿を終え、途中帰国を命じられることなく遂にホルンの地へとたどり着いた榊。そこで待っていたのは、本田という衝撃だった。
 
「ホルンのグラウンドで本田さんが自主トレをしていて、その後にチームが練習をして、本田さんもそれを視察するというスケジュールだったんです。本田さんがすぐ目の前にいるということにも最初はびっくりしたのですが、それ以上に驚いたのは本田さんのハードな自主トレの中身でした。
 
 なかでもランニングメニューでの追い込み方がハンパなかった。その光景を目の当たりにしてからチーム練習が始まるので、毎日僕もモチベーションが高まっていましたね。本田さんからは『分からないことがあったら、なんでも聞いてね』と声をかけてもらい、それも感激しました。ホルンの地に移動をしてきてからも、気持ちが高まる出来事ばかりでした」
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