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【喜熨斗勝史の欧州戦記|第10回】松木玖生に「もったいない」という感情を抱いた理由。セルビアにおける16から18歳の実情とは――

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2022年01月30日

弱いチームに勝利したところで、欠点は浮き彫りにならない

帰国した際の喜熨斗コーチ。日本代表についても言及した。

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 先日、フィオレンティーナからユベントスに完全移籍したFWドゥシャン・ヴラホヴィッチもそうですが、世界トップレベルの選手は、ただボールを扱うのが上手いわけではありません。コミュニケーション能力、歴史学、宗教学、経済学……。いきなり何も知らない海外に身を投じた場合、まず文化的相違に直面することが多いです。

 ですが、彼らは日常的に他国の人間と接して学ぶことで、いざ他国に移籍した時にマイノリティの立場になった自分をどうアピールするか、サバイブしていくかの術を身に付けています。それは人間として、選手としての成熟度を早めることにつながっています。

1月27日のカタール・ワールドカップ・アジア最終予選の中国戦、伊東のゴールもあり、日本は2-0で勝利した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 物理的困難という意味では、日本代表も同様です。1月27日のカタール・ワールドカップ・アジア最終予選の中国戦。ワールドカップに出場するためには仕方がないレギュレーションですが、このレベルの相手と試合をしていても代表チームの強化にはならない。弱いチームに勝利したところで、欠点は浮き彫りにならないんです。

 ではワールドカップ予選以外の時は海外遠征を頻繁に行なえるかといえば、TV放送時間や国内でプレーする選手たちのコンディション、最近ではコロナの影響もあって、すべてがすべて可能なわけじゃないでしょう。

 しかし我々セルビア代表も昨年6月に日本で試合をさせてもらいましたが、どうしてもフレンドリーマッチとなれば主力の招集は難しくなります。長時間のフライトによる疲労、時差ボケによるコンディション調整など身体的な負担。もし、あの試合がセルビアや他の欧州国でできていれば、もう少し主力を招集できたかも……というもどかしい申し訳なさもあります。

 こうした地理的なディスアドバンテージを埋める代案や対策は、今後の発展のためにもサッカーに関わるすべての方で考えていかないといけない課題です。
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