【山形】堅実な補強で充実の陣容。〝2つの空席”を埋められるか

カテゴリ:Jリーグ

嶋 守生

2022年01月13日

エース・ヴィニシウスの去就は未発表

キックオフイベントの様子。今季は充実した陣容でJ1昇格を狙う。写真:滝川敏之

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 昨季の主力が多く残留していることもプラス材料だ。昨季チームの中心としてのポジションを確立させた山田康太が完全移籍でチームに残り、今年は背番号10を背負うことに。また、移籍が噂された半田陸も契約を更新したことで、ボランチからディフェンスラインまで昨季のスタメン組は全員残留している。

 クラモフスキーサッカーの肝となる中盤やディフェンスラインの構成力に不安はなく、昨年までの攻撃の質は計算できるはずだ。
 
 大きな課題は空席となった2つのポジションを埋めきることだろう。

 昨年、一昨年と2年連続で14ゴールを挙げたエースのヴィニシウス・アラウージョの去就は未発表だが、10日のキックオフイベントにも姿を見せず、背番号9は空いたまま。今季の山形でのプレーは現実的ではない状況だ。

 高山強化部長によると「前線に外国籍の選手獲得の交渉中」であり、新外国籍選手が背番号9を背負うことになるか。新加入の藤本と鈴木、契約更新した木戸皓貴、そして新外国籍選手で、ヴィニシウスの昨年の14ゴールを上回るパフォーマンスが必要となる。
 
 また、6ゴール・8アシストで攻撃を牽引した中原輝がセレッソ大阪に移籍したことで、右サイドハーフも一からのポジション争いとなる。ウイングとしてサイドに選手を張らせたいクラモフスキー監督にとっては鍵となるポジションだ。注目は新垣だが、2年目の松本幹太、新加入の横山塁と若手も多く、河合や小西の右サイド起用まで視野に入るだろう。

 センターフォワードと右サイドハーフの2つの空席を埋める起用法は、2月の開幕戦まで注目されるはずだ。
 
 今オフも現有戦力を維持しながら堅実な補強に努めた山形。一見すると派手さはないが、ベースアップに成功する充実のオフシーズンとなった。選手層が厚くなり、昨季よりもリーグが1ヶ月近く短い短期決戦にもマッチさせるだけでなく、90分間通してチームのパフォーマンスを発揮させやすくなるはずだ。

取材・文●嶋 守生(フリーライター)

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