「後輩たちは練習から今日の試合で感じた強度を忘れないでほしい」
終わってみれば大差がついてしまったが、この経験は高川学園にとって決して無駄ではない。国立のピッチで準決勝を戦い、しかも高校年代最強の青森山田と真剣勝負ができた。幸いにもこの試合には2年生も出場しており、その姿をベンチやスタンドから見ていた下級生も大勢いる。そうした選手たちが準決勝で感じたモノを日々の練習に生かせるか。今大会は注目を集めたセットプレーを駆使して勝ち上がり、一戦毎に逞しくなった。3年生たちが懸命に戦った結果、チームに何物にも代え難い経験値をもたらしたのは間違いない。
「後輩たちは練習から今日の試合で感じた強度を忘れないでほしい」とは北の言葉。過去に選手権を制したチームは少なからず、ショッキングな敗戦を経験している。かつての東福岡も準決勝で国見に大敗したし、青森山田にしてもそうだった。そうした悔しさをバネにして、その後の優勝に繋げている。先輩たちが残した財産を新チームに引き継がれれば、この敗北はきっと意味があるモノになるはずだ。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)
取材・文●松尾祐希(フリーライター)