[高校選手権 準決勝]青森山田６-０高川学園／１月８日（土）／国立競技場

　やはり青森山田は今まで戦ってきたどのチームよりも強かった。

　開始３分でFKから得点を許すと、26分にもCKから再び失点。攻撃でもほとんど形を作れず、自分たちが得意とするセットプレーすら与えてもらえない。２点ビハインドで迎えた後半は青森山田の勢いがさらに加速し、終わってみれば０-６の大敗で初の決勝進出は果たせなかった。
 

　まざまざと見せつけられた夏の王者との差――。準々決勝まで採用していた４-２-３-１ではなく、守備重視の５-３-２で戦ったとしても何もさせてもらえなかった。試合後、青森山田の強さについて振り返った江本孝監督はこう話す。

「青森山田さんはサイドの攻撃にパワーがあり、クロスの精度が良い。それだけではなく、当然中央の攻めもレベルが高い。なので、１枚カバーリングの選手を置けば、失点を防ぎやすくなると思っていた。ただ、最初に失点してしまい、リズムを作りづらくなってしまった」

　試合全体を通じて、放ったシュートは前半にあった２本のみ。うち１本は前線からプレスを掛けてGKと１対１の局面を作ったが、それ以外はハーフウェーラインを越えることすらままならない。自陣で耐える展開だけでは得意のセットプレーも巡ってこず、事実CKは試合を通じて１本もなく、FKも自陣からあった２つだけ。今大会は８得点中５得点をリスタートから奪ってきたが、青森山田戦は話題となった“トルメンタ”を出す機会すら訪れなかった。

　なぜ、高川学園は青森山田に何もさせてもらえなかったのか。答えはプレー強度に慣れていなかったことにある。

　高川学園は山口県リーグ１部で戦っているが、青森山田は２種年代最高峰のU-18高円宮杯プレミアリーグEASTで毎週のように全国トップレベルの相手と対戦を重ねている。そうした日常の取り組みの差が準決勝で出てしまったのは間違いない。
    
　キャプテンマークを巻いたMF北健志郎（３年）も青森山田との間に大きな差があったと振り返る。

「試合前から青森山田のプレスの速さはチーム全体で分かっていたし、相手が（スペースを空ける）場所も分析していたので分かっていた。でも、やっぱり対戦してみて、ディフェンスラインの選手が相手のプレスにビビってしまい、長いボールを蹴ってしまうことが多かった。日頃からそれを意識してやっていけば、また青森山田さんと対戦した時に落ち着いていつも通りのプレーができると思う。そういうところで日々の練習の差が出た」

　夏のインターハイでは静岡学園ですら対応ができず1本もシュートを打たせてもらえなかったのだが、青森山田のプレー強度が改めて高校生離れしていることが窺える証言だ。

【選手権準決勝PHOTO】高川学園０-６青森山田｜圧倒的な強さを見せつけ青森山田が４大会連続決勝進出！