ルールは重要だが、あの場面は口頭注意でも十分では?
後半はとりわけ持ち味のカウンターを抑え込まれたが、それでも耐え凌げたのは「立ち返れる場所があった」(石川)からだ。
「もちろん勝点3を狙っていましたが、ゴールを狙い過ぎて逆に失点して負けた試合をこれまで非常に多く経験してきた。FC東京は、そういう負け方がこれまで多過ぎた。そこを変えてくれているのが(フィッカデンティ)監督のサッカーであり、メンタリティであると思います。
良い意味で意識しなくてもブレずに戦えた。だからこそ勝点3が欲しいという気持ちが生まれますけど……。まあ、でも、そうやって耐えられるところは変わってきている部分だし、ポジティブに捉えたいですよね」
ドローに“持ち込めた”要因のひとつは、太田に代わって左SBに入った丸山の安定したパフォーマンスだった。今季、湘南からFC東京に復帰した左利きのDFは短期間でフィッカデンティの戦術を頭と身体に叩き込み、途中出場でも貢献できる力を身に付けていた。
同じ途中出場の羽生とサンダサはやや精彩を欠いていたが、誰がピッチに入っても守備の組織が崩れなかった点は素直に評価できるだろう。
試合の過酷さは、終了後にピッチに倒れ込んだ高橋の姿からも想像に難くない。仮に高橋が顔面打撲した際に負傷退場し、10人で戦っていたらどうなっていただろうか。その意味で、高橋の執念には目を見張るものがあった。
スコアレスドローとはいえ、玄人好みのゲーム。残念だったのは、そうした試合にルールに縛られ過ぎた主審の判定が水を差したことだろう。
治療を終えた高橋がピッチに戻ると、主審はいきなりイエローカードを突きつけた。レフェリーの許可なく試合に加わったからという判断でのジャッジに見えたが、いずれにしても警告に値するほどの行為だったか。
「負傷しながらよくぞ戻ってきたぞ」とサポーターの拍手が会場を包み込むなかでのイエローカードは、誤解を恐れずに言えば空気を読めていなかった。もちろん、ルールに則ったレフェリングは極めて重要だ。しかし、あの場面に関しては、口頭注意で十分だったのではないか。
粋な演出も交えて試合をスムーズに進めることも、レフェリーには求められている。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
「もちろん勝点3を狙っていましたが、ゴールを狙い過ぎて逆に失点して負けた試合をこれまで非常に多く経験してきた。FC東京は、そういう負け方がこれまで多過ぎた。そこを変えてくれているのが(フィッカデンティ)監督のサッカーであり、メンタリティであると思います。
良い意味で意識しなくてもブレずに戦えた。だからこそ勝点3が欲しいという気持ちが生まれますけど……。まあ、でも、そうやって耐えられるところは変わってきている部分だし、ポジティブに捉えたいですよね」
ドローに“持ち込めた”要因のひとつは、太田に代わって左SBに入った丸山の安定したパフォーマンスだった。今季、湘南からFC東京に復帰した左利きのDFは短期間でフィッカデンティの戦術を頭と身体に叩き込み、途中出場でも貢献できる力を身に付けていた。
同じ途中出場の羽生とサンダサはやや精彩を欠いていたが、誰がピッチに入っても守備の組織が崩れなかった点は素直に評価できるだろう。
試合の過酷さは、終了後にピッチに倒れ込んだ高橋の姿からも想像に難くない。仮に高橋が顔面打撲した際に負傷退場し、10人で戦っていたらどうなっていただろうか。その意味で、高橋の執念には目を見張るものがあった。
スコアレスドローとはいえ、玄人好みのゲーム。残念だったのは、そうした試合にルールに縛られ過ぎた主審の判定が水を差したことだろう。
治療を終えた高橋がピッチに戻ると、主審はいきなりイエローカードを突きつけた。レフェリーの許可なく試合に加わったからという判断でのジャッジに見えたが、いずれにしても警告に値するほどの行為だったか。
「負傷しながらよくぞ戻ってきたぞ」とサポーターの拍手が会場を包み込むなかでのイエローカードは、誤解を恐れずに言えば空気を読めていなかった。もちろん、ルールに則ったレフェリングは極めて重要だ。しかし、あの場面に関しては、口頭注意で十分だったのではないか。
粋な演出も交えて試合をスムーズに進めることも、レフェリーには求められている。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)