“開拓精神”を持って。
では、川崎としては、なぜベトナムでの新事業に乗り出したのか。それは現地での高いサッカー熱を鑑みて新たな海外市場を開くためであり、クラブとして培ってきたノウハウをより広く伝えるためでもある。改めて池田氏も説明する。
「サッカー熱の高さ、経済的な発展の可能性などを総合的に考え、フロンターレとしてもベトナムで事業を本格的にやっていこうと機運が高まったのがここ2、3年でした。ただフロンターレの名前はまだベトナムの方々に広く知られていません。それだけにビジネスとして成功していくのはもちろんですが、まずはベトナムの方々にフロンターレを知ってもらう認知拡大から始めています。個人的な想いとしては、将来、スクール生からフロンターレのアカデミーやトップチームに選手を輩出する。ベトナム代表で活躍する選手を輩出できば嬉しいですね」
Jリーグを観戦する文化はまだ根付いていないというベトナムだが、プレミアリーグなど海外リーグの視聴率は高く、サッカー人気は目を見張るものがある。現に2019年のアジアカップやカタール・ワールドカップのアジア最終予選でベトナムと対戦した日本としては、サポーターの熱狂ぶりを目の当たりにしている。今回のグラスルーツの活動や、ACLでの成績、懸け橋となる選手の登場などをキッカケに、ベトナムでの川崎人気を高められるチャンスは眠っていると言えそうだ。
「サッカー熱の高さ、経済的な発展の可能性などを総合的に考え、フロンターレとしてもベトナムで事業を本格的にやっていこうと機運が高まったのがここ2、3年でした。ただフロンターレの名前はまだベトナムの方々に広く知られていません。それだけにビジネスとして成功していくのはもちろんですが、まずはベトナムの方々にフロンターレを知ってもらう認知拡大から始めています。個人的な想いとしては、将来、スクール生からフロンターレのアカデミーやトップチームに選手を輩出する。ベトナム代表で活躍する選手を輩出できば嬉しいですね」
Jリーグを観戦する文化はまだ根付いていないというベトナムだが、プレミアリーグなど海外リーグの視聴率は高く、サッカー人気は目を見張るものがある。現に2019年のアジアカップやカタール・ワールドカップのアジア最終予選でベトナムと対戦した日本としては、サポーターの熱狂ぶりを目の当たりにしている。今回のグラスルーツの活動や、ACLでの成績、懸け橋となる選手の登場などをキッカケに、ベトナムでの川崎人気を高められるチャンスは眠っていると言えそうだ。
スクールの活動には日本から西亮太氏と吉田健太郎氏のふたりのコーチを派遣。現地の通訳兼コーチのふたりとともに、5歳から12歳の人材の指導に当たっている。コーチのふたりは現地の言葉を覚えながら、試行錯誤して日々子どもたちと接しているという。
募集人数の目標は1年目で100人、そして2年目で200人。少しずつ活動の幅を広げ、事業として軌道に乗せることが、直近のテーマになるだろう。
近年では三笘薫や田中碧ら有能なタレントを生み出してきた川崎の育成術はJリーグトップレベルと言える。そのノウハウを生かし、ベトナムでどんな選手が育つかは実に興味深い。今後は状況を見ながら川崎のアカデミー生と現地の生徒の触れ合いも予定しており、国際交流を通じて両者ともに貴重な経験を得られるだろう。
さらに現地では人材育成だけでなく、サッカーを通じた地域発展につなげたいとの想いも強い。ベカメックス東急と協力し、サッカーを中心とした理想的な街づくりの実現も大きなテーマになってきそうだ。それはかつて川崎がコツコツと歩んできた道のりでもある。その再現を異国で、できるとなれば、サッカーで笑顔を届けるというクラブの指針をよりグローバルに表現できる機会となり、新たなビジネスにもつながるだろう。
ベトナムの地でクラブとして得られる経験値、財産は多分にあるはずで、地域の盛り上げ方など還元できるものもあるに違いない。国内にとどまらないこうした“開拓精神”は川崎をさらに上のステージへ押し上げるのかもしれない。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
募集人数の目標は1年目で100人、そして2年目で200人。少しずつ活動の幅を広げ、事業として軌道に乗せることが、直近のテーマになるだろう。
近年では三笘薫や田中碧ら有能なタレントを生み出してきた川崎の育成術はJリーグトップレベルと言える。そのノウハウを生かし、ベトナムでどんな選手が育つかは実に興味深い。今後は状況を見ながら川崎のアカデミー生と現地の生徒の触れ合いも予定しており、国際交流を通じて両者ともに貴重な経験を得られるだろう。
さらに現地では人材育成だけでなく、サッカーを通じた地域発展につなげたいとの想いも強い。ベカメックス東急と協力し、サッカーを中心とした理想的な街づくりの実現も大きなテーマになってきそうだ。それはかつて川崎がコツコツと歩んできた道のりでもある。その再現を異国で、できるとなれば、サッカーで笑顔を届けるというクラブの指針をよりグローバルに表現できる機会となり、新たなビジネスにもつながるだろう。
ベトナムの地でクラブとして得られる経験値、財産は多分にあるはずで、地域の盛り上げ方など還元できるものもあるに違いない。国内にとどまらないこうした“開拓精神”は川崎をさらに上のステージへ押し上げるのかもしれない。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)