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【なでしこリーグ】  「ブームではなく、文化に」――カナダの地でともに戦った宮間、川澄らが再開初戦で激突

カテゴリ:Jリーグ

松原 渓

2015年07月13日

他では味わえない“手作り感”は、なでしこリーグの魅力。

ワールドカップでの記者会見の言葉を実現させるため、今後の活躍も大切になる。(C) Getty Images

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 湯郷ベルとINACは毎シーズン熱戦を繰り広げて来たライバルで、お互いの特長を知り尽くしている。さらに勝負どころを知るベテランも多くいる。
 
 この試合では、ワールドカップ決勝で膝を負傷(左膝関節炎)した澤は欠場したが、宮間や川澄、大野や鮫島など、なでしこジャパンに名を連ねたメンバーのプレーに、スタンドから大きな拍手が起こった。
 
 また、両チームが見せた勝利への執念は、なでしこジャパンが示した「最後まで諦めない姿勢」とも重なった。試合終盤のドラマやジャイアントキリングを引き起こすのは、気持ちや信念の強さだということを選手たちはよく知っている。
 
 アメリカとの激闘からわずか6日後。それでも疲れを感じさせることなく、鋭いクロスやシュートで見せ場を作った川澄は、「この人気を持続するためには、選手は良いパフォーマンスをすることに尽きると思います」と話した。カナダから帰国し、完全に気持ちは切り替わっているという。
 
 精度の高いキックやゴールでこの日も会場を沸かせた宮間は、逆転勝利できなかった悔しさを口にしつつも、訪れた4998人の観客のサポートに感謝した。
 
「(5000人まで)あと2人、惜しかったですけど(笑)、試合が荒れるような声ではなくて、温かい声援が多かったので、すごくパワーになりました」
 
 スタンドには、選手の似顔絵やキャッチフレーズをあしらった横断幕が並び、良いプレーには敵味方関係なく歓声と拍手が送られた。客層は老若男女幅広く、手拍子とともに選手の名前を呼ぶだけのシンプルな応援など、初めて見に来るファンが参加しやすい雰囲気があった。
 
 こういったスタジアムの“手作り感”は、Jリーグや海外サッカーでは味わえない、なでしこリーグの魅力と言えるのではないだろうか。
 
 試合後、詰めかけた大勢の報道陣から宮間に、「ブームではなく、文化に」という言葉についての質問が飛び交った。宮間は一つひとつの質問に丁寧に答え、最後は穏やかに笑って言った。
 
「言葉だけがひとり歩きするのも嫌なんですけれど……、みんなが女子サッカーを観に行ったり、女子サッカーの状態を知ることが当たり前になるように頑張りたいと思います」
 
取材・文: 松原 渓(スポーツライター)
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