結果的に前半で負傷交代したレアル・マドリー戦でのタケ・クボ（久保建英）のパフォーマンスはやや低調なものに終わった。

　開始直後にミゲル・グティエレスの判断ミスにも乗じて絶妙なコントロールからドリブルで切れ込むも、左足でコースを狙ったシュートは精度を欠き、枠を捉えることができなかった。
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　もっともタケのような選手は、ボールに絡んでこそ持ち味を発揮する。チーム全体が劣勢を強いられる中で、輝きを放つには限界があったのは事実だ。このパフォーマンスによって評価が下落に転じることはない。

　それよりも心配なのは怪我の程度だろう。バルデベバス（レアル・マドリーの練習場）で診断を受けたが、詳細は公表されていない。
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　開幕以来、タケは及第点のプレーを見せていた。確かに得点、アシストともいまだにゼロである点には不満が残る。攻撃系の選手は数字も要求されるだけに、なおさらだ。もっともレギュラーとしてコンスタントに出場機会を得るという当初の目標をクリアしており、マジョルカ移籍はここまで吉と出ている。

　加えて復帰とはいえ、監督はルイス・ガルシアに代わっており、言うまでもなくチームの顔ぶれも全く同じではない。新たな戦術に適応するのは相応の時間がかかるのは当然のことだ。その中でも指揮官は、タケ中心の攻撃を構築する方針を打ち出している。離脱が長引かない限り、残留を目指すチームのキーマンの1人としての重責を担うのは間違いない。

　マドリーは当初、タケの武者修行期間を２年間に設定していた。そのプランを見直して1年間さらに延長したのは、昨シーズンのビジャレアル、ヘタフェでの武者修行の成果が芳しくなかったからだ。タケ自身はそれでも最後まで復帰への一縷の望みを持っていたが、現状マドリーに居場所を見出すのは困難で、再度レンタルでプレーするのがベストという結論に至った。

　したがって復帰のタイミングは来夏という点で両者は一致している。ただその温度差は異なる。復帰を熱望するタケに対して、マドリーのスタンスは今夏同様に成長を優先させる考えであることに変わりはない。つまり居場所を空けて待っておくようなことはせず、マジョルカで期待通りの成果をあげれば復帰させ、そうでなければ再度のレンタルという線も当然浮上してくる。

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