中国国内はどうやら、賛否両論で真っ二つだ。

　現地９月７日、カタール・ドーハで開催されたワールドカップ・アジア最終予選、中国vs日本の一戦は、前半に大迫勇也が挙げたゴールで先制した“アウェーチーム”が１－０でそのまま勝ち切り、３ポイントを奪取した。

　前半はベタ引きの超守備的５バックを敷いた中国。反撃の糸口さえ掴めない劣勢に立たされたが、大手メディアは「オーストラリア戦よりも守備が堅固だった」と見る向きがあり、後半の巻き返しにも一定の評価を与えた媒体が少なくない。

　とはいえ、枠内シュートはゼロで当然ゴールチャンスもゼロ。パス成功率は54％しかなく、ポゼッション率は30％と日本に圧倒された。中国版ツイッター「ウェイボー」をはじめとしたコミュニティサイトでは、あらためて李鉄監督の手腕を批判する声が多数寄せられている。

　しかしながら44歳の指揮官は、初戦のオーストラリア戦に続く連敗にあっても、あくまでポジティブだ。試合後の記者会見で次のようにコメントしている。

「今日のゲームの内容にはすごく満足している。選手たちはピッチ上で死に物狂いに戦い、闘争心を前面に押し出してくれた。スタッフを含めたみんなの努力に感謝したい。次のベトナム戦（現地10月７日）も最終予選のすべての試合がそうであるように、一戦必勝のスタンスで臨みたいと思う」

　素直に認めたのは、オーストラリア、日本との厳然たる実力差だ。「この２連戦で戦った２チームは本当に素晴らしい強敵だった。我々がアジア最強レベルにある彼らのテンポに付いていけなかったのは確かだ」と分析し、「これからの１か月でそれを補い、強化する。そのために有意義なテストマッチの相手を見つけたい。改善できると思う」と自信を覗かせた。
 

　次節の対戦相手であるベトナム代表は、韓国人のパク・ハンソ監督が率いている。その点について問われると「ほかの国の監督についてあれこれ言いたくはない」と前置きしたうえで、次のように持論を展開した。

「代表チームとは選手にとって格別なもの。100試合以上をそこで戦った身からすれば、やはり中国代表チームは中国人監督が率いてこそ、強くなれると信じたい。国のため、仲間のために戦い、一丸となって進化するチームを作っていけるのは、中国人監督だけだと思う」

　中国代表はこのあとUAEのシャルジャに戻り、11月中旬の第６節（オーストラリア戦）まで超長期キャンプを継続。開幕２連敗と待ったなしの崖っぷちに立たされる李鉄監督とチームだが、まだまだ修正の時間は残されている。さらなる鍛錬で組織力とコンビネーションを向上させられるかに注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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