新戦力がどれだけフィットするかが後半戦のポイントのひとつ
東京五輪開催でJリーグは一時中断。その間、各チームは戦力補強やミニキャンプ実施など、再開後に向けて準備を進めている。五輪後はいかなる戦いを見せてくれるか。ここでは、J2のレノファ山口を取り上げる。
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7月に入って内容面で相手を上回る時間帯が増加し、直近3試合は1勝2分0敗と復調してきている。順位はまだ15位だが、中断期間でチーム力をさらに強化して後半戦に臨みたいところだ。
今季からチームを率いる渡邉晋監督がJ2でタクトを振るのは初めて。シーズン最序盤は4-4-2を組んだが、戦術理解のばらつきや主軸の佐藤謙介のケガなどから苦戦を強いられた。ただ、3-4-2-1に変更してからは選手の動きがスムーズになり、DF渡部博文やシャドーに配置したMF池上丈二がボールを動かす中心軸として機能するようになっている。
7月は対戦時点で首位だった磐田に2-2の引き分け、12位の秋田には内容面で大きく上回り、1-0で勝利。渡邉監督が目指す“立ち位置で相手を上回る”スマートなサッカーの片鱗を見せている。
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7月に入って内容面で相手を上回る時間帯が増加し、直近3試合は1勝2分0敗と復調してきている。順位はまだ15位だが、中断期間でチーム力をさらに強化して後半戦に臨みたいところだ。
今季からチームを率いる渡邉晋監督がJ2でタクトを振るのは初めて。シーズン最序盤は4-4-2を組んだが、戦術理解のばらつきや主軸の佐藤謙介のケガなどから苦戦を強いられた。ただ、3-4-2-1に変更してからは選手の動きがスムーズになり、DF渡部博文やシャドーに配置したMF池上丈二がボールを動かす中心軸として機能するようになっている。
7月は対戦時点で首位だった磐田に2-2の引き分け、12位の秋田には内容面で大きく上回り、1-0で勝利。渡邉監督が目指す“立ち位置で相手を上回る”スマートなサッカーの片鱗を見せている。
中断期間ではシーズン前に行なっていたような二部練習を取り入れ、人数制限しながらサポーターへトレーニングを公開するなど緊張感を持続させ、戦術の深化を図った。さらに即戦力も補強。千葉からFW大槻周平を獲得して得点力増強を狙い、中盤には渡邉監督がかつて指揮した仙台からレフティのMF田中渉を迎え入れた。彼らがどれだけフィットするかが後半戦のポイントのひとつになる。
8月以降も基本的には前半戦の戦い方を踏襲し、攻撃で主導権を握るスタイルを継続する。「(選手の)目が揃ってきた」(渡邉監督)と戦術浸透には手応えがあり、ピッチ上にいくつもの“三角形”を作り、リズム良くボールを動かす時間は確実に増えそうだ。
課題のひとつだった決定力不足の解消には新戦力・大槻の活躍がカギを握る。ただ、大槻の加入はスプリントで強みを見せるFW草野侑己やドリブルを生かせる場面が増えてきたFW高井和馬らにとって大きな刺激になるはず。他のFW陣もゴール数を増やせるか。
また“攻め時”と“守り時”の見極めができるようになってきたのも、後半戦の巻き返しにつながる要素だ。重層的なサッカーが山口らしさではあるが、前半戦は我慢すべきタイミングで攻め急ぎ、間延びした状態からカウンターを受けていた。渡部や島屋八徳らベテランに頼る部分はまだ多くあるが、若手の判断も良くなり、攻守で隙は減っていきそうだ。
後半戦の巻き返しに向け、中断期間で着実に戦力と戦術を整えてきた。下位から抜け出し、今シーズンの目標とする勝点60に近づけるために、よりスマートに、よりアグレッシブに戦っていきたい。
取材・文●上田真之介(フリーライター)
【2021・夏の移籍動向一覧】J1・J2・J3 新加入、退団、監督動向まとめ
8月以降も基本的には前半戦の戦い方を踏襲し、攻撃で主導権を握るスタイルを継続する。「(選手の)目が揃ってきた」(渡邉監督)と戦術浸透には手応えがあり、ピッチ上にいくつもの“三角形”を作り、リズム良くボールを動かす時間は確実に増えそうだ。
課題のひとつだった決定力不足の解消には新戦力・大槻の活躍がカギを握る。ただ、大槻の加入はスプリントで強みを見せるFW草野侑己やドリブルを生かせる場面が増えてきたFW高井和馬らにとって大きな刺激になるはず。他のFW陣もゴール数を増やせるか。
また“攻め時”と“守り時”の見極めができるようになってきたのも、後半戦の巻き返しにつながる要素だ。重層的なサッカーが山口らしさではあるが、前半戦は我慢すべきタイミングで攻め急ぎ、間延びした状態からカウンターを受けていた。渡部や島屋八徳らベテランに頼る部分はまだ多くあるが、若手の判断も良くなり、攻守で隙は減っていきそうだ。
後半戦の巻き返しに向け、中断期間で着実に戦力と戦術を整えてきた。下位から抜け出し、今シーズンの目標とする勝点60に近づけるために、よりスマートに、よりアグレッシブに戦っていきたい。
取材・文●上田真之介(フリーライター)
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