サッカー男子のスペイン五輪代表で大きな期待を寄せられ、それでいて正念場を迎えているのが、レアル・マドリーに所属するマルコ・アセンシオだ。
彼には、メディアやファンの間で使われる“アウセンシオ”という別名がある。不在を意味する「アウセンシア(Ausencia)」というスペイン語からもじった造語だ。試合から消えることの多い彼の特徴を皮肉ったもので、不発に終わった初戦のエジプト戦の試合後には、案の定、この言葉がSNS上に飛び交った。
注目のスペイン対アルゼンチンは28日20時キックオフ
だが2戦目のオーストラリア戦、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督によってベンチスタートを強いられたのがお灸の効果を果たしたのか、後半途中から投入されると、見事な左足のピンポイントクロスでミケル・オジャルサバルの決勝ヘッドをアシストするなど活躍を見せた。
そのシーンが示すように、クロスでもシュートでもワンプレーでゲームの流れを変えられる左足のキックはやはり魅力であり、チームにとっては大きな武器だ。だからこそファンにはその能力が十分に活かされない現状が歯がゆく映るのだろう。
エースとしての働きを求められる今回のオリンピック、スペイン代表の金メダル獲得には“背番号7”の黄金の左足が欠かせない。グループ突破を懸けた注目のアルゼンチン戦は、7月28日20時キックオフだ。
構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部