ユーベのトップシーン復帰で実現した5度目・9試合目の対決。
2014-15シーズンの欧州王者を決する瞬間が、刻一刻と迫っている。圧倒的な攻撃力を持つバルセロナか、バランスの取れたユベントスか? 決戦を前に、興奮と興味は膨らむばかりである。
チャンピオンズ・リーグ(CL)決勝を目前に控え、ここでは両チームにまつわる過去のデータを改めて振り返っておこう。
ともに欧州、いや世界を代表するクラブであり、長い歴史のなかで多くの栄光を勝ち取ってきたが、欧州の舞台で対峙したのは以下の通り4度(8試合)と、意外にも多くない。そして公式戦における最後の対戦は2002-03シーズンと、かなり前のことである。
通算成績はユーベが4勝2分け2敗で上回るも、次ラウンドに勝ち上がった回数ではともに2回ということで、五分の成績だと言える。
初めての中立地での一発勝負となる今回、勝ち越しに成功するのはいずれのチームだろうか。
【写真で振り返る】過去のバルサvsユーベ
◎両チームの対戦成績
◇チャンピオンズ・リーグ(カップ)
2002-03・準々決勝
バルセロナ 1(延長)2 ユベントス
ユベントス 1-1 バルセロナ
1985-86・準々決勝
ユベントス 1-1 バルセロナ
バルセロナ 1-0 ユベントス
◇UEFAカップ
1970-71・2回戦
ユベントス 2-1 バルセロナ
バルセロナ 1-2 ユベントス
◇カップウィナーズ・カップ
1990-91・準決勝
ユベントス 1-0 バルセロナ
バルセロナ 3-1 ユベントス
◇通算成績
バルセロナ 2勝2分け4敗 ユベントス
次ラウンド進出はともに2回
※左側表記がホームチーム。中立地での対戦はなし
そしてもうひとつ興味深いデータは、両チームともに今回が通算8度目のCL決勝進出になるということだ。優勝回数はバルサが4回、ユーベが2回。バルサは05-06シーズン以降は全て勝利しており、クラブとして充実した時期が続いていることをうかがわせる。一方のユーベは、ややこの戦いとの相性が悪いと言えるだろうか……。
過去を振り返ると、ともに「3度目の正直」で初欧州制覇を果たしたのも、単なる偶然とはいえ興味深い。
バルサは宿敵レアル・マドリーの欧州6連覇を自らの手で阻止して2代目王者を目前にしながらベンフィカに敗れ、2度目の挑戦では自国(セビージャ)開催で伏兵ステアウアが相手という有利な状況ながら、PK戦で4人全員が止められるという屈辱を味わった。
一方、ユーベは初の決勝で3連覇を狙うヨハン・クライフのアヤックスに0-1で敗れ、前年にスペイン・ワールドカップを制したイタリア代表の主力にミシェル・プラティニ、ズビグニエフ・ボニエクを加えた超豪華集団として決勝に進んだ82-83シーズンは、フェリックス・マガトの一撃により、ハンブルクに予想外の敗北を喫した。
悔しさを繰り返し味わった両チームは、3度目にしてようやく悲願を成就するが、ユーベの場合は試合前に39人の観客が死亡した「ヘイゼルの悲劇」のために喜びは半減。一方のバルサは、延長戦後半に決勝点が決まるという劇的な展開で、両チームの戴冠の様子は対照的だった。
ちなみに決勝点は、ユーベがミシェル・プラティニのPK、バルサがロナルド・クーマンのFKと、どちらもセットプレーからのものだった。もちろん、これも偶然だろうが……。
4度目の決勝では、戦前は圧倒的優勢と予想されたバルサが、ミランに手も足も出ず0-4の完敗を喫したのに対し、ユーベはPK戦にまでもつれ込んだ激闘を制してアヤックスの連覇を阻止するとともに、2個目のビッグイヤー(トロフィー)を手に入れた。
ユーベはこの年を含めて3シーズン連続の決勝進出を果たしたが、有利とされながらもドルトムント、マドリーの軍門に降り、02-03シーズンのイタリア勢対決として注目を浴びたオールド・トラフォードでのミラン戦では、パベル・ネドベド不在が響き、PK戦の末に敗北を喫するなど、2度目の戴冠以降は失望ばかり味わっている。
一方のバルサは、05-06シーズン以降は3戦全勝。ロナウジーニョ、サミュエル・エトー、リオネル・メッシ、シャビ、アンドレス・イニエスタなどの錚々たるスターが、フランク・ライカールト、ジョセップ・グアルディオラといった優れた戦術家の下で最新鋭のサッカーを展開し、優勝候補として常に欧州のトップシーンを走り続けてきた。
ユーベは八百長事件、そしてセリエAの弱体化などがあって、長く欧州最高峰を決める一戦から遠ざかっていたが、12年ぶりに帰ってきた。
ともに7度の決勝で様々な歴史とドラマを創出してきたが、果たして8度目となる今回、両チームはどのようなストーリーを描き出すのだろうか。
【写真で振り返る】バルサ&ユーベのCL決勝7試合
◎両チームの歴代決勝戦結果
◇バルセロナ
1960-61 ×2-3ベンフィカ
1985-86 ×0(0PK2)0ステアウア・ブカレスト
1991-92 ○1(延長)0サンプドリア
1993-94 ×0-4ミラン
2005-06 ○2-1アーセナル
2008-09 ○2-0マンチェスター・ユナイテッド
2010-11 ○3-1マンチェスター・ユナイテッド
通算成績4勝3敗
◇ユベントス
1972-73 ×0-1アヤックス
1982-83 ×0-1ハンブルク
1984-85 ○1-0リバプール
1995-96 ○1(4PK2)1アヤックス
1996-97 ×1-3ドルトムント
1997-98 ×0-1レアル・マドリー
2002-03 ×0(2PK3)0ミラン
通算成績2勝5敗
チャンピオンズ・リーグ(CL)決勝を目前に控え、ここでは両チームにまつわる過去のデータを改めて振り返っておこう。
ともに欧州、いや世界を代表するクラブであり、長い歴史のなかで多くの栄光を勝ち取ってきたが、欧州の舞台で対峙したのは以下の通り4度(8試合)と、意外にも多くない。そして公式戦における最後の対戦は2002-03シーズンと、かなり前のことである。
通算成績はユーベが4勝2分け2敗で上回るも、次ラウンドに勝ち上がった回数ではともに2回ということで、五分の成績だと言える。
初めての中立地での一発勝負となる今回、勝ち越しに成功するのはいずれのチームだろうか。
【写真で振り返る】過去のバルサvsユーベ
◎両チームの対戦成績
◇チャンピオンズ・リーグ(カップ)
2002-03・準々決勝
バルセロナ 1(延長)2 ユベントス
ユベントス 1-1 バルセロナ
1985-86・準々決勝
ユベントス 1-1 バルセロナ
バルセロナ 1-0 ユベントス
◇UEFAカップ
1970-71・2回戦
ユベントス 2-1 バルセロナ
バルセロナ 1-2 ユベントス
◇カップウィナーズ・カップ
1990-91・準決勝
ユベントス 1-0 バルセロナ
バルセロナ 3-1 ユベントス
◇通算成績
バルセロナ 2勝2分け4敗 ユベントス
次ラウンド進出はともに2回
※左側表記がホームチーム。中立地での対戦はなし
そしてもうひとつ興味深いデータは、両チームともに今回が通算8度目のCL決勝進出になるということだ。優勝回数はバルサが4回、ユーベが2回。バルサは05-06シーズン以降は全て勝利しており、クラブとして充実した時期が続いていることをうかがわせる。一方のユーベは、ややこの戦いとの相性が悪いと言えるだろうか……。
過去を振り返ると、ともに「3度目の正直」で初欧州制覇を果たしたのも、単なる偶然とはいえ興味深い。
バルサは宿敵レアル・マドリーの欧州6連覇を自らの手で阻止して2代目王者を目前にしながらベンフィカに敗れ、2度目の挑戦では自国(セビージャ)開催で伏兵ステアウアが相手という有利な状況ながら、PK戦で4人全員が止められるという屈辱を味わった。
一方、ユーベは初の決勝で3連覇を狙うヨハン・クライフのアヤックスに0-1で敗れ、前年にスペイン・ワールドカップを制したイタリア代表の主力にミシェル・プラティニ、ズビグニエフ・ボニエクを加えた超豪華集団として決勝に進んだ82-83シーズンは、フェリックス・マガトの一撃により、ハンブルクに予想外の敗北を喫した。
悔しさを繰り返し味わった両チームは、3度目にしてようやく悲願を成就するが、ユーベの場合は試合前に39人の観客が死亡した「ヘイゼルの悲劇」のために喜びは半減。一方のバルサは、延長戦後半に決勝点が決まるという劇的な展開で、両チームの戴冠の様子は対照的だった。
ちなみに決勝点は、ユーベがミシェル・プラティニのPK、バルサがロナルド・クーマンのFKと、どちらもセットプレーからのものだった。もちろん、これも偶然だろうが……。
4度目の決勝では、戦前は圧倒的優勢と予想されたバルサが、ミランに手も足も出ず0-4の完敗を喫したのに対し、ユーベはPK戦にまでもつれ込んだ激闘を制してアヤックスの連覇を阻止するとともに、2個目のビッグイヤー(トロフィー)を手に入れた。
ユーベはこの年を含めて3シーズン連続の決勝進出を果たしたが、有利とされながらもドルトムント、マドリーの軍門に降り、02-03シーズンのイタリア勢対決として注目を浴びたオールド・トラフォードでのミラン戦では、パベル・ネドベド不在が響き、PK戦の末に敗北を喫するなど、2度目の戴冠以降は失望ばかり味わっている。
一方のバルサは、05-06シーズン以降は3戦全勝。ロナウジーニョ、サミュエル・エトー、リオネル・メッシ、シャビ、アンドレス・イニエスタなどの錚々たるスターが、フランク・ライカールト、ジョセップ・グアルディオラといった優れた戦術家の下で最新鋭のサッカーを展開し、優勝候補として常に欧州のトップシーンを走り続けてきた。
ユーベは八百長事件、そしてセリエAの弱体化などがあって、長く欧州最高峰を決める一戦から遠ざかっていたが、12年ぶりに帰ってきた。
ともに7度の決勝で様々な歴史とドラマを創出してきたが、果たして8度目となる今回、両チームはどのようなストーリーを描き出すのだろうか。
【写真で振り返る】バルサ&ユーベのCL決勝7試合
◎両チームの歴代決勝戦結果
◇バルセロナ
1960-61 ×2-3ベンフィカ
1985-86 ×0(0PK2)0ステアウア・ブカレスト
1991-92 ○1(延長)0サンプドリア
1993-94 ×0-4ミラン
2005-06 ○2-1アーセナル
2008-09 ○2-0マンチェスター・ユナイテッド
2010-11 ○3-1マンチェスター・ユナイテッド
通算成績4勝3敗
◇ユベントス
1972-73 ×0-1アヤックス
1982-83 ×0-1ハンブルク
1984-85 ○1-0リバプール
1995-96 ○1(4PK2)1アヤックス
1996-97 ×1-3ドルトムント
1997-98 ×0-1レアル・マドリー
2002-03 ×0(2PK3)0ミラン
通算成績2勝5敗