【ナポリ】ベニテスの後任候補をウナイ・エメリに絞り回答を待つ
 
　ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長は、レアル・マドリー監督就任が決まったラファエル・ベニテス前監督に代わる次期監督候補として、同じスペイン人のウナイ・エメリ（セビージャ）に白羽の矢を立て、６月１日、スペインまで出向いて交渉に臨んだ。
 
　ナポリのオファーは年俸350万ユーロ（約４億9000万円）という好条件（現在の年俸は180万ユーロ＝約２億5200万円）だが、セビージャからの慰留に加え他にもウェストハムなどからのオファーが届いていることもあって、エメリは回答を保留、数日間の猶予を求めた。
 
　デ・ラウレンティス会長もこれを受け入れて待機している状況だ。
 
【サンプドリア】新監督はワルテル・ゼンガ
 
　シニシャ・ミハイロビッチ監督が今シーズン限りで退任したサンプドリアは、その後任として元イタリア代表GKで、カターニャ、パレルモ、ステアウア・ブカレスト（ルーマニア）、アル・アイン（カタール）などの監督を歴任したワルテル・ゼンガの就任を内定した。
 
　年俸70万ユーロ（約9800万円）の１年契約で、EL出場権15万ユーロ（約2100万円）、CL出場権30万ユーロ（約4200万円）、コッパ・イタリア優勝10万ユーロ（約1400万円）のボーナスも契約書に盛り込まれている。
 
【フィオレンティーナ】モンテッラ退任時の後任候補としてパウロ・ソウザに接触
 
　今週中にヴィンチェンツォ・モンテッラ監督の去就が最終的に決まるフィオレンティーナだが、退任の場合に備えてすでに後任候補への接触が始まっている。
 
　ターゲットとなっているのはバーゼル（スイス）を率いてCLベスト16進出を果たしたパウロ・ソウザ。サンプドリアが以前からオファーを出していたが、ソウザは今週末（６月７日）のスイス・カップ決勝が終わるまで回答を保留。そこまで待てないサンプがゼンガにターゲットを切り替えたという経緯があった。
 
　一方フィオレンティーナは、その時点でも監督問題が決着していない可能性があるため、保険をかけた格好だ。
 
【翻訳】
片野道郎
 
翻訳者からのごあいさつ
　イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。
 
　イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年１月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン（当時シャフタール・ドネツク）がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。
 
　セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち（iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています）、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。
 
　ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。
 
　ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年７月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。
 
　そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。（片野道郎）