レアル・マドリー時代には確執も騒がれた。だが、ジョゼ・モウリーニョは同胞のレジェンドをリスペクトしている。だからこそ、次の挑戦に臨むうえで、対戦したくないと冗談も飛ばした。

　来シーズンからローマでセリエAでは12シーズンぶりに指揮を執るモウリーニョが、英『talkSPORT』で、ユベントスに所属するクリスチアーノ・ロナウドに移籍を“要望”した。

　３年目のセリエAで得点王に輝いたポルトガル代表FWは、ユベントスでクラブ通算100得点の大台も突破。36歳になりながらも、相変わらずの破壊的な得点力を見せつけている。

　一方で、ユーベは10連覇を達成できず、ライバルのインテルに王座を奪われた。アンドレア・ピルロを１年で解任し、来季からマッシミリアーノ・アッレグリを呼び戻すことが決まっている。

　２年前にユーベでアッレグリが解任されたとき、C・ロナウドはチームのスタイルに不満を抱いているとも言われた。現在も、大エースとチームにシナジーがないとの声は多い。契約最終年を迎えるとあり、C・ロナウドの去就を巡る報道は後を絶たないのが現状だ。

　そのC・ロナウドについて、モウリーニョは「今すぐに彼はイタリアを離れるべきだ。そして、私を安心させるべきだね！」と冗談を交えつつ、「36歳だがまだものすごく、安定して数字を残している。たった３シーズンでクラブ通算100得点の記録を達成した」と賛辞を寄せている。
 

「誰もが言うが、私も同じだ。彼はもう25歳じゃない。36歳だ。50得点を決めることはない。だが、彼はどれだけのゴールを決めた？35得点（ユベントス公式戦、正しくは36得点）だ。素晴らしい記録だよ。数字が物語っている」

　背番号７を駆り立てるものは何か。モウリーニョは「記録だと思う。彼はレジェンドで、フットボールの歴史に永遠に名が残るビッグネームのひとりだ。だが、彼は新しいことと数字で自分をモチベートしているんだよ」との見解を示した。

「彼は得点王やゴールデンシューを○○回受賞したいと望むんだ。代表最多得点記録の更新も望んでいる。今回のEUROだけじゃなく、ワールドカップにも出場したいと望んでいる」

　常にリオネル・メッシと比較されてきたC・ロナウドだが、メッシの方が優れていると言われたら怒るだろうかと問われると、モウリーニョは「そうは思わない」と答えている。

「彼を鼓舞するのは批判だと思う。『オレを批判するなら、それはオレがこうだからで、これだけをやってきたからだ』と感じるのだろう。彼は今なお、そのさらなるモチベーションを感じている。対戦相手は静かであるべきだ。彼について間違ったことを言ってはいけない。彼のモチベーションになるからね。彼は精神的にとても強い」

　メンタルのタフネスは、モウリーニョにも言えることだろう。来季のセリエAで、彼らの対戦は実現するだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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