日本（A）代表のジャマイカ戦中止に伴い、U-24日本代表は６月３日、兄貴分であるA代表と札幌ドームで激突し、０-３で敗れた。

　試合が動いたのは開始２分。鎌田大地のCKをニアで大迫勇也にすらされ、これを橋本拳人にゴール前フリーで押し込まれた。

　１点を追いかける形となったU-24日本代表は、21分に決定機が到来。田川亨介が抜け出し、GKと１対１を迎えるが、シュートは惜しくもゴール右に外れ、モノにすることはできない。

　その後も、主導権を握る時間もありながら得点を奪えずにいると、41分に鎌田大地、52分に浅野拓磨に被弾。リードを広げられてしまう。

　なんとか一矢報いたいU-24日本代表は、78分にオーバーエイジ（OA）枠の遠藤航を投入し、猛攻を仕掛けるも、結局最後までネットを揺らせず。下剋上を果たすことはできなかった。

　試合後の記者会見に出席した遠藤は、“兄弟対決”を通じて感じた課題を以下のように明かしている。
 

「１個１個のプレッシャーのかけ方とか、守備でのオーガナイズ、ボールを持ったときの立ち位置みたいなところは合わせていかないと。特に国内組の選手たちとはまだ１回、前日しか練習していないので、そういう意味ではまだまだやるべきことは多い。だけど今日こうしてA代表と試合できたことはU-24にとっては非常にいいレッスンになったと思う」

　普段はA代表としてプレーしている遠藤は、「両チームの差」についても説明。改善点を挙げつつも、同時に一定の手応えも示している。

「やっぱり完成度は違った。しっかりチームとしていつプレッシャーに行くのかとか、インテンシティの高さ、１個１個に行くプレスのスピード、球際の強さだったり。そこはやっぱりさすがというか、U-24の方は上回られていたという感覚はあった。

　でもそのなかでもU-24の方もボールを動かせる場面もあったし、いいシーンはあったと思う。僕はかなり違和感はあったが、本当に相手も手を抜くことなくやってくれて、いいゲームだったと思う」

　OAであり、前回のリオデジャネイロ五輪でもキャプテンとして出場経験を持つ遠藤は、当然チームを牽引していく役割が求められる。経験豊富な28歳は今後に向け、自らがやるべきことを具体的に伝えている。

「プレー自体は別にA代表と変わることはないし、それをシンプルに出すだけ。プラスでやっぱり連動の部分や、ポジティブな雰囲気をピッチの中に落とし込めるかとかは自分のOAとしての仕事だと思っている。それはプレー面でもそうだし、メンタル面でも。どんどんこれから積極的にコミュニケーションを取っていきたい」

　U-24日本代表は今回の６月シリーズでは、５日にU-24ガーナ代表、12日にジャマイカ代表と対戦。東京五輪開幕戦の７月22日まで刻一刻と迫るなかで、遠藤ほか、吉田麻也、酒井宏樹のOA３人と、既存の24歳以下の選手たちとの連携を深めていきたい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【PHOTO】日本 ３-０ U-24日本｜“兄弟対決”は橋本と鎌田と浅野の得点で貫禄の勝利！U-24日本にとっては悔しい結果に