ブレイクの予感が高まる19歳FW。苦しむ柏の“救世主”になれるか

カテゴリ:Jリーグ

志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

2021年05月30日

敵に捕まりにくく、高確率で起点を作っている

札幌戦で細谷は後半から途中出場。ゴールへの気迫を見せた。写真:滝川敏之

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 35番のプレーに対してはいっそう拍手が大きくなる。誠に勝手な感性だが、そのリアクションには「いいぞ!細谷!」「頼むぞ!真大!」といったメッセージが込められているようにも感じる。

 一部だけでもいいから、この身勝手な憶測が真実だと信じたくなるほど、今の細谷真大は威勢がいい。悪いところばかりが目に付く苦しむ柏レイソルで、数少ない希望の光となっているのではないか。

 細谷の最も効果的な働きは動き出しだろう。ボールを持った味方が顔を上げたタイミングで走り出し、相手最終ライン裏のスペースを突く。斜めにランニングしながらペナルティエリア角付近を狙うので、敵に捕まりにくく、しかも高確率で起点を作っている。
 
 おかげで自陣で押され気味になっているチームも細谷を生かして形勢を逆転できる。この若武者を基準点に複数人が攻撃に絡むシーンもあった。象徴的なゲームが15節の横浜戦(△1-1)で、後半から途中出場した札幌戦(●1-2)もゲームの流れを優勢に変えている。

 呉屋大翔、ペドロ・ハウル、アンジェロッティなどとは起点の作り方が違う。ライバルたちは落ちて身体を張るプレーにばかり集中しているが、細谷は裏抜けで基準点となる。そのため攻撃に奥行きが生まれているので、35番が前線にいる試合のチームパフォーマンスは“他のFW陣に比べれば”悪くない。
 
 ネルシーニョ監督も「公式戦で経験のある相手に対して、互角かそれ以上の働きを見せてくれている。与えられた役割を理解して、ピッチのなかでやってくれている」と称賛。指揮官の指示を体現しつつも、細谷は得点への気迫も見せている。

 もっとも、ストライカーなのでまだノーゴールでは手放しで太鼓判を押せない。フィニッシュの冷静さはまだまだ向上の余地がある。

 35番がシュートを外した時、もちろんガッカリしたため息も聞こえるが、なかには「惜しい!」と言わんばかりのポジティブなどよめきも混じっている気がする。それはシュートコースうんぬんよりも、細谷が見せるゴールへの迫力に起因しているのではないか。

 リーグ初ゴールさえ決まれば、細谷はブレイクの可能性があると思う。大化けの予感が高まる19歳FWは、苦しむ柏の“救世主”になれるか。閉塞感のあるチームに風穴を開けてほしい。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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