すぐさまレギュラー陣に割って入るのは簡単ではない
浦和レッズのホープたちは着実に力をつけている。
ルヴァンカップのグループステージ4節、湘南ベルマーレをホームに迎えた一戦では、鈴木彩艶、藤原優大、福島竜弥がピッチに立った。いずれも2002年生まれの3人組だ。
GKの鈴木は浦和ユース出身で、高校1年次の19年2月には早くもプロ契約をしていた逸材。藤原は名門・青森山田高でキャプテンを務めた世代屈指のCB。左SBの福島は鈴木と同じ浦和ユース育ちで、19年には2種登録され、今季トップチーム昇格を掴んだ。
湘南戦はスコアレスドローに終わりチームは勝利を逃したものの、この若手3人は小さくない存在感を示した。
ここまでルヴァンカップでフル出場を続ける鈴木は、その潜在能力の高さを示している。
湘南戦ではビッグセーブこそなかったものの、圧巻だったのは49分のプレーだ。左サイドハーフの汰木康也をめがけて放ったパントキックは、DFの頭を抜き、一気に局面を押し上げる見事なものだった。まさに絶品で、声出しを禁止されているスタジアムのサポーターも思わず唸ってしまうほどだった。
ルヴァンカップのグループステージ4節、湘南ベルマーレをホームに迎えた一戦では、鈴木彩艶、藤原優大、福島竜弥がピッチに立った。いずれも2002年生まれの3人組だ。
GKの鈴木は浦和ユース出身で、高校1年次の19年2月には早くもプロ契約をしていた逸材。藤原は名門・青森山田高でキャプテンを務めた世代屈指のCB。左SBの福島は鈴木と同じ浦和ユース育ちで、19年には2種登録され、今季トップチーム昇格を掴んだ。
湘南戦はスコアレスドローに終わりチームは勝利を逃したものの、この若手3人は小さくない存在感を示した。
ここまでルヴァンカップでフル出場を続ける鈴木は、その潜在能力の高さを示している。
湘南戦ではビッグセーブこそなかったものの、圧巻だったのは49分のプレーだ。左サイドハーフの汰木康也をめがけて放ったパントキックは、DFの頭を抜き、一気に局面を押し上げる見事なものだった。まさに絶品で、声出しを禁止されているスタジアムのサポーターも思わず唸ってしまうほどだった。
一方、CBで先発した藤原も高卒ルーキーらしからぬ落ち着きを披露。チームはハイプレスに苦しみ押し込まれる時間が長かったにもかかわらず、藤原は焦らずに相手アタッカーに対応してクリーンシートに貢献。さらにボールを持てば何本かFWへと鋭い縦パスを通そうと試みるシーンもあった。
グループステージ1節(アウェーでの湘南戦)でプロデビューを飾った藤原は、その試合で左眼窩底骨折を負い戦線離脱を余儀なくされたが、それから約2か月ぶりの公式戦で、堂々としたプレーを披露した。
また福島も運動量豊富にアップダウンを繰り返し、さらに持ち前のスピードを生かして、左サイドを何度か突破。攻守に厚みを加えた。決勝ゴールをアシストした前節の横浜FC戦に続いて積極性をアピールしたと言える。
もっとも、試合を重ねる度に成長を示している3人だが、リーグ戦ですぐさまレギュラー陣に割って入るのは簡単ではない。
鈴木については実力的にはリーグ戦で試す価値はある。ただしビッグセーブを連発して健在ぶりを示す西川周作が立ちはだかる。リーグ屈指のセービング技術とフィード精度を誇る正守護神の存在は、鈴木にとってこれ以上ない見本となる一方で、大きな壁にもなっている。
藤原は戦術理解力を高める必要があるだろう。空中戦や出足の素早いタックルといった対人能力は素晴らしいが、カバーリングやビルドアップの正確性などチームプレーに関わるスキルは発展途上。ルヴァンカップでは宇賀神友弥や阿部勇樹といったベテランのカバーに助けられる場面が少なくなかった。
さらなる戦術理解力の向上が求められるのは福島も同様だ。オーバーラップを仕掛ける積極性は評価できるものの、攻め上がった際にポジショニングに戸惑いが見られ、味方とのコンビネーションがスムーズにいかず、ミスが散見された。
もちろんいずれもポテンシャルには疑いの余地はなく、彼らの成長がチーム力の底上げにつながるのは間違いない。レギュラー争いに割って入る未来はそう遠くはないだろう。02年組トリオのさらなる飛躍に期待したい。
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
グループステージ1節(アウェーでの湘南戦)でプロデビューを飾った藤原は、その試合で左眼窩底骨折を負い戦線離脱を余儀なくされたが、それから約2か月ぶりの公式戦で、堂々としたプレーを披露した。
また福島も運動量豊富にアップダウンを繰り返し、さらに持ち前のスピードを生かして、左サイドを何度か突破。攻守に厚みを加えた。決勝ゴールをアシストした前節の横浜FC戦に続いて積極性をアピールしたと言える。
もっとも、試合を重ねる度に成長を示している3人だが、リーグ戦ですぐさまレギュラー陣に割って入るのは簡単ではない。
鈴木については実力的にはリーグ戦で試す価値はある。ただしビッグセーブを連発して健在ぶりを示す西川周作が立ちはだかる。リーグ屈指のセービング技術とフィード精度を誇る正守護神の存在は、鈴木にとってこれ以上ない見本となる一方で、大きな壁にもなっている。
藤原は戦術理解力を高める必要があるだろう。空中戦や出足の素早いタックルといった対人能力は素晴らしいが、カバーリングやビルドアップの正確性などチームプレーに関わるスキルは発展途上。ルヴァンカップでは宇賀神友弥や阿部勇樹といったベテランのカバーに助けられる場面が少なくなかった。
さらなる戦術理解力の向上が求められるのは福島も同様だ。オーバーラップを仕掛ける積極性は評価できるものの、攻め上がった際にポジショニングに戸惑いが見られ、味方とのコンビネーションがスムーズにいかず、ミスが散見された。
もちろんいずれもポテンシャルには疑いの余地はなく、彼らの成長がチーム力の底上げにつながるのは間違いない。レギュラー争いに割って入る未来はそう遠くはないだろう。02年組トリオのさらなる飛躍に期待したい。
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)