【横浜】新機軸3-4-3は最適解なのか?

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2015年05月07日

「なにかを変えたかった」(モンバエルツ監督)

元々、相性の良い藤本(25番)と齋藤(11番)が近い位置取りをすることで、横浜は多彩な攻撃を仕掛けることができた。写真:田中研治

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【警告】横浜=中町(33分)、喜田(69分) 名古屋=田中(26分)、田中(45+1分)
【退場】名古屋=田中(45+1分)
【MAN OF THE MATCH】齋藤 学(横浜)

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 中位に沈む横浜が新機軸を打ち出した。
 
「まずひとつ目に、なにかを変えたかった」と、試合後の会見でエリク・モンバエルツ監督は語った。これまでの基本布陣である4-2-3-1から、今節の名古屋戦は3-4-3を採用。連敗で迎えたゴールデンウィーク最後のホームゲームで、現状打破の一手として、横浜は新たな顔を見せたのだ。

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 ふたつ目の理由として、名古屋対策という側面もあった。「サイドに選手を張ってくるチームに対して、前向きに守備をしたかった」(モンバエルツ監督)。その結果、「1対1のところを、よりアグレッシブにできたし、そこで勝負をして勝って、ゴールを奪ってから、前にスピードを持ってプレーすることができた」(同監督)。
 
 新システムの導入を考えたのはつい最近のことで、トレーニングに費やす時間は限られていたものの、指揮官は「選手たちの適応能力を評価していたし、きっとできるだろうと思い、この数日間、練習して、今日これを実行した」という。
 
 ぶっつけ本番とは言わないまでも、万全の準備ができていないなかでも、2-0の完封勝利を収め、連敗を脱出することに成功した。選手たちが高い適応能力を示し、低空飛行を続けるチームが上昇するためのきっかけを得られたのは間違いない。
 
 試合内容を振り返れば、スコア以上に相手を圧倒したゲームだった。実際に新システムが十分に機能していたかについては、この日の名古屋は連戦の疲れによって運動量が著しく低く、しかも前半でひとり退場になっていたため、“イージー”な相手だったのは差し引いて考える必要がある。ただ、それでもポジティブな要素は少なくなかったように思う。
 
 3-4-3の3トップの両サイドは、齋藤学と藤本淳吾だった。4-2-3-1の2列目左サイドが主戦場だった齋藤に関しては、以前よりも守備のタスクが軽減された印象で、プレーの自由度が増し、機動力をさらに発揮できていた。一方の藤本は、的確なポジショニングが光っていた。相手の2ボランチの背後を巧みに突いて、テンポ良くボールを出し入れして攻撃をスムーズにさせる。タイミングを外すワンタッチパスやスルーなど、テクニシャンならではの豊富なアイデアは絶妙なアクセントになっていた。
 
 攻撃センスの高いふたりが最前線に位置し、状況に応じては近い距離を保つことで、攻撃に広がりが生まれ、中央のアデミウソンも快適にプレーできていた印象だ。9分にはさっそく藤本→齋藤→アデミウソンの連係で中央から崩してシュートまで持ち込み(これはGKに防がれる)、47分には藤本のフリーランでできたスペースを使い、齋藤→アデミウソンとつないで惜しい場面を演出するなど、3トップの効果は随所に見られていた。

新機軸を打ち出したモンバエルツ監督。3-4-3の準備期間は短かったが、「選手たちの適応能力を評価していた」指揮官は英断を下し、見事に勝点3を掴み取った。写真:田中研治

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