【岩本輝雄】サンフレッチェの青山が醸し出す“違和感”。こういう選手がひとりいると…

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2021年04月19日

自分のリズムを乱さず、やるべきことを淡々とやる

フロンターレ戦で見せた抜群の存在感。青山が健在のサンフレッチェは強いよ。写真:徳原隆元

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 フロンターレ対サンフレッチェは1-1の引き分けだったね。38分に家長のゴールでフロンターレが先制し、65分に森島の得点でサンフレッチェが追いついた。

 5連勝中のフロンターレは連勝が止まったけど、無敗は継続中。開幕から12試合を消化して10勝2分と盤石の強さで首位を走っている。一方のサンフレッチェは連敗を2でストップ。勝ち切れなかったとはいえ、悪い流れを止めたし、首位とのゲームで勝点1を奪った。ポジティブなドローだったと思うよ。

 そして、見どころの多い試合でもあった。抜群の攻撃力を誇るフロンターレは、もちろん、そのサッカーの完成度は高いんだけど、CFのダミアンが特に効いているよね。あそこでしっかりとボールを収めてくれるから、他の選手たちがタイミング良く攻め上がって、厚みのあるアタックを仕掛けられる。ポスト役としての貢献度は去年よりも高いはずだ。

 それから、試合を重ねるごとに効果的なプレーが増えている遠野。攻撃を加速させる鋭いターンは必見だ。サンフレッチェでは、三笘とマッチアップした野上のクレバーな守備も目を引いた。

「やっぱり上手いな、頼りになるな」って改めて感心させられたのが、サンフレッチェの青山だ。良い意味で、ピッチ上で最も“違和感”があった。

 試合は前半からフロンターレのペース。ポゼッションで優位に立ち、守備でもボールを失えばすぐにプレスをかけて奪いにかかる。攻守両面でサンフレッチェを圧倒していた。

 そんなシチュエーションでも、青山は落ち着いてプレーしていた。あれだけ劣勢になれば、もう少し慌ててもいいようなもんだけど、自分のリズムを乱さず、やるべきことを淡々とやる。
 
 まったくミスがなかったわけではない。でも、簡単にボールを奪われないし、状況に応じて的確な判断を下して、実行に移していた。他の選手がややバタついているなかでも、青山だけが冷静に振る舞っている。違和感の正体はこれか、と思った。醸し出す雰囲気、オーラが違った。別格だった。

 今さら言うことでもないけど、青山の配給力は本当に素晴らしい。味方の足もとに正確につけるパスはもちろん、スペースを狙ったミドルレンジのパスも精度が高い。たとえ得点に直結しなくても、青山のこうした一つひとつのプレーが、自分たちの流れでない時のチームを下支えして、後半の反撃へとつなげたようにも思う。

 こういう選手がひとりいると、チームは簡単には崩れない。押される展開でも、集中が途切れず、しぶとく戦うことができる。まさにチームの支柱であり、大黒柱。青山が健在のサンフレッチェ。ブレない軸があるチームは強いよ。

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