地球の真裏でも、若きサムライたちの完勝劇が報じられている。

　U-24日本代表は３月29日、東京五輪の強化の一環で、強豪ひしめく南米予選を１位で突破したU-24アルゼンチン代表と、北九州スタジアムで対戦。立ち上がりから攻勢を仕掛けるなか45分に、瀬古歩夢のロングフィードに抜け出した林大地が鮮やかに先制点を挙げる。これで流れを引き寄せると、68分、73分と立て続けに久保建英のCKから板倉滉がヘディングで追加点を挙げ、趨勢を定めた。

　終わってみれば３-０の快勝で、３日前に惜敗した相手に見事リベンジを果たした格好だ。

　この一戦を報じたのが、ブラジルが誇る南米最大ネットワーク『globo』である。「ホーム開催の五輪で本気で金メダルしか狙っていない日本。第１戦こそ劣勢に立たされて敗れたが、第２戦では南米王者を向こうに回して圧巻のパフォーマンスを披露し、自信に繋がる結果を手にしたのだ」と評し、次のように続けた。

「第２戦では双方ともに多くの選手を入れ替えて臨んだ。特に日本は、４-２-３-１のフォーメーションを維持しながらも、大部分がリザーブチームで構成され、レギュラーメンバーはクボのほか、キャプテンマークを巻いたイタクラ、タナカ（田中碧）らがいた。そんな試合で、アルゼンチンはただひたすら守勢に回らされ、ハーフタイム直前には、ドウアン（堂安律）の負傷によって追加招集されたハヤシに先制点を許してしまうのだ。
 

　後半になると、アルゼンチンはより攻撃的な姿勢を打ち出すようになった。しかし依然としてGKタニ（谷晃生）の仕事は少なく、マチダ（町田浩樹）の堅実な守備も光っていた。そして若きサムライたちの攻撃はソウマ（相馬勇紀）とクボを中心に、より危険な香りを漂わせ、ほぼ同じ状況でのセットプレーから２点を追加する。結局試合は日本の３-０勝利で幕を閉じた」

　加えて『globo』は、日本の最終選考を巡るサバイバルにも言及。今回の試合で評価を上げた選手の名を数名挙げている。

「クボ、イタクラ、タナカなどは最終メンバー入りが確実視されている。一方でセコ、ソウマ、ハヤシなど、序列が下方だった選手たちがポイントを獲得した。フロンターレのデュオであるミトマ（三笘薫）とハタテ（旗手怜央）の活用法はまだ確立されていない」

　かくいうブラジル代表もU-22時代の2019年、日本に２-３で敗れており、「今度はアルゼンチンの番だ」とも伝えた。南米の覇を争うライバルの完敗劇は、五輪連覇を目論む王国にも小さくないインパクトを与えたようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【PHOTO】U-24日本３－０U-24アルゼンチン｜林と板倉のゴールで見事にリベンジ！今後の自信へと繋がる勝利に！