大韓サッカー協会のトップが異例の謝罪表明だ。

　木曜日に横浜で行なわれた日本代表vs韓国代表のフレンドリーマッチ。国際Ａマッチとしてはおよそ10年ぶりの開催で、コロナ禍での実施にさまざまな議論も交わされた注目の大一番は、思いもよらない結果に終わった。攻守両面で韓国を凌駕した日本が前半のうちに２点のリードを奪い、後半も巧みに相手の反撃をいなして加点。３－０の快勝を飾ったのである。

　この歴史的敗北を受けて、韓国国内ではメディアを筆頭に代表チームへの批判が殺到した。とりわけポルトガル人指揮官、パウロ・ベントの采配に対して懐疑的な意見が多く寄せられ、チームの帰国後も混乱の度合いを強めている。

　そんななか、協会トップであるチョン・モンギュ会長が公式文書をリリース。なんと日韓戦での大敗をオフィシャルに謝罪し、ファン・サポーターに理解を求めたのだ。

　59歳は「大韓サッカー協会の会長として、昨日の韓日戦の結果でファン、選手たち、失望させた人びとに深く謝罪します」と綴り、「６月のワールドカップ予選に向けて代表チームをより強くさせねばならないと、決意を新たにしました」と宣言。そして「心配させてしまって本当に申し訳なく思います」と、再度謝意を示した。

　活躍が期待されたイ・ガンインをゼロトップで起用するなど、奇策が空転したベント監督への批判が止まないが、チョン会長は「彼にだけ非難が集中するのはフェアではありません」と言及し、「ベストな状態でチームを送り出せず、サポートが不十分でした。責任はサッカー協会と会長である私にあります」とあくまで擁護した。

　ひとつのテストマッチの惨敗によって、協会トップが謝罪文書を配信するなど、日本のみならず世界でも類を見ない展開だ。それだけ、帰国後の代表チームに対して、巨大な反響があったのだろう。

　チョン会長は「今後もさまざまな方のさまざまな意見を聞きながら、チーム強化のためにベストを尽くしたい」と力を込め、「サッカーファンに楽しみと希望を与えられるような代表チームにしたい」と説明。最後にふたたび、「あらためて、真摯に謝罪いたします」と意志を示した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【関連ムービー】３－０で宿敵を一蹴！ 熱狂の日韓戦をハイライトでチェック！