【岩本輝雄】どうした横浜FC? 下平監督は戦術的な引き出しが多いけど…

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2021年03月08日

今はあまり良い方向に転がっていないような気がする

連敗スタートとなった横浜FC。苦境を脱するために下平監督はどんな手を打つか。期待したい。写真:滝川敏之

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 コンサドーレとの開幕戦は1-5の大敗、続くトリニータ戦は1-2と競り負けた。レイソルとのルヴァンカップ初戦は1-0で勝利したけど、リーグ戦では連敗スタートとなった横浜FCの様子がどうもおかしい。

 13年ぶりの昇格を果たした昨季は15位でフィニッシュ。目標のトップ10入りは果たせなかったけど、下平監督が落とし込んだポゼッションサッカーは見応えがあって、格上のチーム相手にも堂々と渡り合うゲームは少なくなかった。

 だから今年は期待しているんだけど、ここまでは思うような結果を残せていない。

 トリニータ戦に関しては、相手がやや引き気味に構えていたこともあって、持ち前のポゼッションでペースを握ることはできていた。ボランチ手塚のパス捌きを軸に、テンポ良くボールを動かす。左サイドの松尾も効果的な突破を見せる。ゴールチャンスも作れていたけど、この日はフィニッシュの精度が足りず、手塚のFKによる1得点のみだった。

 チームとして、やろうとしていることが、まったくできていないわけではない。ただひとつ気になるのは、トリニータ戦でも、コンサドーレ戦でも、試合の立ち上がりに複数失点していること。いずれの試合でも、前半の15分が終わらないうちに2失点している。

 去年は、前半はわりと良い戦いを見せて、後半に失速というパターンが多かったと思うけど、今年はその逆になっている。自陣ゴール前でのイージーなミスも目につく。

 序盤にビハインドを背負ってしまうと、その後の戦いが難しくなる。ボールを握れていても、少なからず焦りを感じて、微妙なズレが生まれてしまっているのかもしれない。

 それと、まだいろいろと試しているのかもしれないけど、どのポジションで誰を起用するかとか、メンバーの起用や選考がかっちりと定まっていない印象も受ける。トリニータ戦でも、動きの良かった松尾をなぜ途中で下げてしまったのか。もちろん、そこは下平監督にも考えがあってのことだとは思うけど……。
 
 戦術的にも引き出しの多い監督であるのは間違いない。そのことによって幅の広い戦いができるのも分かるけど、今はあまり良い方向に転がっていないような気がする。

 いろんな可能性を模索している段階だとしても、どれだけ苦しい状況だとしても、とにかく勝点が欲しいね。

 良いチームであるのは間違いない。地力があるし、土台はしっかりとできあがっている。このままでは終わらないはずだよ。

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