ミシャことペトロヴィッチ体制４年目となる新シーズンの顔ぶれは、従来と大きく変わらない。

　新戦力は10人。なかでも注目を浴びるのは、約１年半ぶりに琉球から復帰した小野だろう。日本を代表する司令塔は、チームにどのようなプラスアルファをもたらすのか。本人は「若いチームであると思うので、自分の考え方が少しでも伝われればと考えています。簡単に試合に出られる状況ではないですし、素晴らしい選手がいるので、トレーニングで競い合って、そこを勝ち抜いてプレーできる環境を自分で作りたいです」と意気込む。

　一方、最終ラインでは進藤がC大阪に移籍。ただ、FC東京から（昨季は仙台でプレー）守備のマルチである柳、昨季はJ2の群馬で守備の中心に成長したCB岡村を補強。中村もレンタルバックし層を厚くした。

　また名古屋では怪我に泣いたが実力は確かな青木、昨季、特別指定選手としてすでにJデビューを果たしている大卒ルーキーのFW小柏、GK中野らも楽しみな人材である。

　懸念材料なのは、昨季途中に鈴木武蔵が移籍した後、得点ペースが落ちた前線か。昨秋に短期で加入したH・ヴィエイラとは契約を更新せず。代わりにナイジェリア代表の肩書きを持つガブリエルを迎えたが、この新助っ人の実力は未知数だ。

　またペトロヴィッチ監督が帰国中のオーストリアで左大腿骨を骨折し、入院。合流が遅れており、新シーズンへの準備にも不安が残る。所属14年目の宮澤が語るように、一致団結して新シーズンに臨めるかが、ポイントになるだろう。
 

最新移籍動向（１月23日現在）
【加入】
FW
ガブリエル（25）　←ウィダード・カサブランカ／MAR（完全移籍）
小柏　剛（22）    　←明治大（新人）
中島大嘉（18）    　←国見高（新人）

MF
小野伸二（41）    　←琉球（完全移籍）
青木亮太（24）    　←[名古屋←]大宮（レンタル終了後、名古屋から完全移籍）

DF
岡村大八（23）    　←群馬（完全移籍）
柳　貴博（23）    　←[FC東京←]仙台（レンタル終了後、FC東京から完全移籍）
中村桐耶（20）    　←Honda FC（レンタル復帰）
※MAR＝モロッコ

GK
大谷幸輝（31）    　←新潟（完全移籍）
中野小次郎（21）　←法政大（新人）

【退団】
FW
ウーゴ・ヴィエイラ（32）　→未定（契約満了）
藤村　怜（21）    　　→山形（レンタル移籍）

MF
早坂良太（35）    （引退）
白井康介（26）    →京都（レンタル移籍）

DF
石川直樹（35）    （引退）
進藤亮佑（24）    →C大阪（完全移籍）
濱　大耀（22）    →富山（レンタル移籍）

GK
カウィン（30）    [OHルーヴェン／BEL→]未定（レンタル終了）
※BEL＝ベルギー

構成●サッカーダイジェスト編集部