驚きのキャリア続行だ。現地時間１月６日、スペイン４部に属するラシン・ムルシアFCは、元オランダ代表MFのロイストン・ドレンテとの契約を締結したと発表した。

　かつては世界に注目された逸材だった。2005年、当時18歳ながら名門フェイエノールトでのプロ生活をスタートさせたドレンテは、07年のU-21欧州選手権で大活躍してMVPに。世界の度肝を抜いたパフォーマンスが認められ、同年夏にレアル・マドリーへとステップアップをした。

　しかし、鳴り物入りで入団したマドリーでの激しい競争に敗れて挫折を味わうとピッチ内外での問題行動も仇となり、キャリアは暗転。以降は、６か国８チームを渡り歩くも、満足のいく結果を残せないまま、表舞台から姿を消した。

　一度は引退していたドレンテだったが、19年夏にオランダ３部のコザッケン・ボーイズで現役続行を決意。昨夏にチームを解雇されるも、地道な交渉を重ねて、今回のムルシアFCとの契約に至った。

　だが、これまでも奔放な言動で物議を醸してきた男は、今回も小さくない話題を提供している。
 

　ムルシアFC入団に際してスペインのラジオ局『El Partidazo』のインタビューに応じたドレンテは、「まだプレーする準備はできていない。３キロは減量しなきゃダメだね。週明けからダイエットするよ」とオーバーウェイトであることを正直に告白。そして自身の私生活に関する仰天発言も続けた。

「何を言っているんだと言われるかもしれないが、僕は今でこそ独身だけど、４人の異なる女性との間に７人の子どもを授かった。そんな子どもたちと離れ離れになるのは辛いよ。彼らなしでは絶対に生きてはこられなかったからね」

　プライベートでの驚きの情報を口にしたドレンテだが、契約した以上は、ムルシアの上位進出に貢献するつもりだ。「オランダの超逸材」と称えられた男は強気に宣言している。

「確かに見ての通り、今の僕の身体は決して褒められたものじゃない。今日の練習も正直、キツかった（笑）。だけど、身体が『やれる』と言ったからプレーを続けるんだ。お遊びや気まぐれのためにここにいるわけじゃない。自分ができることを人々に見せつけたいと思ってる。キャリアの未来？ シーズンが終わった時に自分の身体がどうなっているかを考えるさ。とりあえず契約を全うする」

　力強くキャリア続行に対する決意を表明した33歳は、そのプレーで観る者を魅了することができるだろうか。

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構成●サッカーダイジェストWeb編集部