第99回全国高校サッカー選手権は１月９日に準決勝が行なわれ、埼玉スタジアム会場の第２試合では青森山田（青森）vs矢板中央（栃木）が激突。前者が５-０で決勝進出を決めた。

　第95回と97回大会を制し、過去５年で４度のベスト４進出という圧倒的な成績を持つ青森山田と、過去３年で２度のベスト４進出を誇る矢板中央による優勝候補対決となったこの一戦。立ち上がり押し込んだのは“北の横綱”だ。右サイド仙石大弥（３年）らを起点に、分厚い攻撃を続ける。

　ゲームが動いたのは前半16分。小原由敬（２年）のパスにペナルティエリア左で反応した安斎颯馬（３年）が左足で放った強烈なシュートが、GK藤井陽登（２年）の手を弾き、ゴールネットを揺らした。青森山田が幸先よく先制に成功する。

　対して反撃したい矢板中央は、得意のロングスローも駆使し、積極的にゴール前へ放り込むが、決定的な場面を作り切れない。そのなかで星景虎（2年）と小川心（3年）を前半のうちに投入し、打開を目指す。

　それでも青森山田は攻撃の手を緩めない。前半35分、今大会ロングスローで３アシストを記録している強肩の内田陽介（3年）が、右サイド敵陣深くから自慢の秘技を繰り出す。これにニアへ飛び込んだ藤原優大（３年）がヘッドで合わせると、相手ディフェンスの足に当たりゴールに吸い込まれた。
 

　前半を２-０で折り返すと、後半開始直後にも立て続けに追加点。まずは後半１分、内田のロングスローからゴール前こぼれたところを、最後は安斎が上手く身体を倒しながら右足で叩き込んだ。さらに息の付く間もなくそこから４分後、右サイドから内田が今度は足で上げたクロスに名須川真光（２年）がヘディングで合わせ、点差を4点とした。

　まずは1点を返したい矢板中央だが、J３岩手内定のタビナス・ポール・ビスマルク（3年）らを中心とした相手の堅守に手を焼き、思うような攻撃をさせてもらえず。

　そして後半29分には、右サイドを崩した藤森颯太（２年）からのグラウンダーのクロスに安斎が押し込み、青森山田が勝利を決定づけるダメ押し点をゲット。安斎はハットトリックと圧巻の活躍を見せた。

　結局、盤石の戦いぶりを見せた青森山田が５発大勝。３年連続で決勝へ駒を進めた。一方、矢板中央は初のファイナル進出とはならなかった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部