ヨーロッパの各国リーグでは間もなく冬の移籍市場が開幕する。ドイツの移籍専門メディア『fussball news』は、新型コロナウイルスの影響で「なかなか予想しにくい状況。ブンデスリーガの各クラブは消極的になる傾向にある」と分析している。

　そんななか、同サイトは各クラブの補強効果を測る目安として、ドイツの移籍情報サイト『Transfermarkt』の「推定市場価格」に着目。クラブに所属する全選手の、推定市場価格の合計値を、今シーズン開幕前と現時点で比較し、増加率が高いクラブのランキングを発表した。

　結果、１位は増加率123.7%とシーズン前に比べて２倍以上の数値を叩き出した昇格組のビーレフェルトとなった。『Transfermarkt』での市場推定価格の合計は4745万ユーロ（約59億3125万円）となり、アルネ・マイアー、マイク・ファン・デルホールンの名が価値を押し上げたとされる。

　堂安については、市場推定価格は12月28日時点で630万ユーロ（約７億8750万円）で、８月のシーズン前から変化していないが、「相対的にクラブの戦力を押し上げた存在として印象的」と名前が挙がった。
 

　そして、「サプライズな好調ぶりが、数値にも表れた」と評されたのが、遠藤渓太が新加入したウニオン・ベルリンと、遠藤航が所属するシュツットガルトだ。

　ランキング２位のウニオン・ベルリンの増加率は80.2%。主にロビン・クノヘとマックス・クルゼらベテランの存在が数字を押し上げたほか、若手プレーヤーの価値も微増傾向にあるのが増加率に貢献しているという。遠藤渓太については、負傷で試合に出場できない時期が続いたが、「今後は130万ユーロ（約１億6250万円）を更新していくはず」と期待されているようだ。

　３位のシュツットガルトは増加率で72.6%。ニコラス・ゴンサレス、オレル・マンガラ、サイラス・ワマンギトゥカ、そして遠藤航の市場価値の上昇が要因だと解説されている。遠藤は、８月時の160万ユーロから、現在は600万ユーロ（約７億5000万円）と４か月で大幅増しており、「今後も価値を高めていくことが予想される存在」と注目を集める存在となったようだ。

　一方、最下位は大迫勇也の所属するブレーメンに。増加率は「-22％」とマイナスに振れ、主に昨夏にレバークーゼン入り目前となっていたが頓挫したミロト・ラシチャの推定価格が下降した（2800万ユーロ→1800万ユーロ）ことが響いたようだ。大迫自身は８月の350万ユーロ（約４億3750万円）から現在は300万ユーロ（約３億7500万円）と微減している。

　ブンデスリーガは１月２日に後半戦が再開する。果たして後半戦でも堂安、遠藤航はチームに貢献できるか。まだ出場時間の少ない遠藤渓や、昨シーズンは降格からチームを救った大迫の奮闘にも注目が集まる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部