元アルゼンチン代表の“英雄”ディエゴ・マラドーナが急性心不全で死去してから、まもなく３週間が経とうとしている。

　そんななか、アルゼンチン在住のライターで、『ワールドサッカーダイジェスト』誌の長寿連載「いつだって楽天南米」でもお馴染みのチヅル・デ・ガルシアさんが12月11日、ツイッターを更新。一本の動画を紹介している。

「アルゼンチンのスポーツ専門局が作ったマラドーナ追悼動画。正直この手のものはもう見たくなかったのですが、これだけは別格。ディエゴが辿った軌跡を経てボールが最後に戻るのはビジャ・フィオリートの生家…２分足らずの短い中にドラマがいっぱい詰まっています」

『TyC Sports』が作成したその動画は、ひとつのボールがマラドーナの足跡を辿るように、ボカ・ジュニオルスの本拠地ラ・ボンボネーラやナポリの街、メキシコのアステカ・スタジアムといった所縁の場所を訪ねていき、最後は生家に戻るというもの。撮影に使われたボールは、このアルゼンチンの10番が「神の手」や「５人抜き」によるゴールを披露し、母国を二度目の世界王者に導いた1986年のメキシコ・ワールドカップで使用された公式試合球「アステカ」だ。

【動画】「ぐっと涙を堪えました」必見のマラドーナ追悼ムービーはこちら

　チヅルさんは、「この動画の主人公は『ボール』。マラドーナの軌跡を辿ったあと、最後に出てくる『一緒に遊んでくれてありがとう』のメッセージがなんとも。プロダクションは単なるオマージュ動画に終わらないものを作りたかったそう。素晴らしい作品ですね」と投稿している。

　このムービーは『TyC Sports』の公式ツイッターだけでも100万回再生を突破。「短い間にマラドーナのメッセージが沢山詰まってて、ぐっと涙を堪えました」「秀逸ですね…素晴らしい動画」「泣いてしまう」といったコメントが寄せられた。

　誰よりもボールを愛し、ボールに愛された男に相応しい、格別の作品となっている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部