【横浜FC】4-3-3にトライも3失点。手痛い完敗に垣間見える指揮官の貪欲な姿勢

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年11月26日

「2枚でビルドアップして、前進して、前に人数を少しでも増やせれば」

前半だけで3失点。その内容に下平監督も悔しさを滲ませるが、さらなる進化を求めた結果でもあった。写真:塚本凛平(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1第29節]横浜FC1-3清水/11月25日/ニッパツ

 後半のスコアだけを見れば1-0。2点目、3点目を取れなかったとはいえ、自分たちのリズムでボールを動かし、ゲームを支配できていた。

 その後半の内容は、下平隆宏監督にとっては想定内だったはずだ。システムは、中盤はダブルボランチの4-4-2。最終ラインから確実につないでボールを前に運んでいたが、「ボランチを一枚落として、(後ろの)3枚でビルドアップするのはいつもやっている形」であり、それで“ボールを握れる”ことは、指揮官は十二分に分かっていた。

 着目すべきは、前半の戦いぶりだ。システムは、中盤はアンカーを置いた逆三角形の4-3-3。「少し不慣れな選手というか、普段は使っていないところでも使ってみたり、トライをして。ただ今週のトレーニングは非常に良かったので」。しかし、この4-3-3システムは奏功せずに3失点。前半だけで勝負をつけられる格好となってしまった。

「全体的に、ビルドアップのところは特に自信を持ってボールを持てていなくて、2失点目に関しては、ビルドアップのミスから失点してしまった」

 前半から“いつもやっている形”で戦っていれば結果は違っていたかもしれないが、下平監督はそれを選択しなかった。なぜか。単なる采配ミスではない。現状に満足せず、さらなる進化を求めた結果だろう。
「できれば(ボランチを)落とさずに、2枚でビルドアップして、前進して、前に人数を少しでも増やせればという狙いはあった」

 より攻撃に厚みが出るように、持ち前のビルドアップの改良に着手――そのチャレンジは成功したとは言えず、手痛い完敗を喫したが、チームとしてさらに高みを目指そうとする貪欲な姿勢が垣間見えた敗戦でもあった。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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