ブレーメン大迫勇也、今はただ辛抱の時。ドイツでの“逆風”は強いが…【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中野吉之伴

2020年10月09日

チームの守備は整ってきたが、攻撃面に課題

開幕戦以降、先発出場から遠ざかっている大迫。だが、その存在は必ず必要になるはずだ。(C)Getty Images

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 開幕戦でブレーメンがヘルタ・ベルリンに1-4で完敗を喫した時、「またか」と肩を落としたファンも多かったことだろう。昨シーズンの悪夢がよみがえる。同じく大敗スタートを切ったシャルケとの第2節での試合は、早くも「降格危機へ足を滑らすのはどっちだ?」と囁かれるほどだった。

 だが、ブレーメンはそのシャルケ戦を3-1で勝利。続くビーレフェルト戦も1-0で破り2連勝を手にしている。開幕3試合で勝点6は、実に7年ぶりとなる好調なスタートダッシュだという。

 正直に言えば、内容的には褒められたものではなかった。この試合のボール保持率はわずかに35%。ボールを保持する時間帯でも、ビーレフェルトの組織だった守備を崩せずに、いたずらに自陣でパスを回すばかりだった。

 試合後の会見で、監督のフロリアン・コーフェルトもそのあたりを認めている。

「最終的には幸運もあったし、時間をやり過ごすような展開だった。まだ我慢が必要だ。自分たちで相手以上のプレーを、これから見出していかなければならない」

 ただ、そうした試合展開ながらも勝点3を取ることができたのは、間違いなく昨シーズンと比べてポジティブな要素だ。
 
 昨シーズンの序盤は、理想的なプレーを追い求めすぎていたことがブレーキの悪因となっていた。魅力的なサッカーを求めるのは、プロクラブとしてごもっともなコンセプトだ。でも、理想へと気持ちが傾向しすぎて、現実的な戦い方ができないのでは、リーグで生き残ることはできない。コーフェルトは昨季、苦しい残留争いを戦い抜いたことで、その優先順位を学んだのだろう。

「3試合で勝ち点6には満足している。昨シーズンはホームでほとんど勝てなかったからね」という振り返りは本音だと感じた。

 今シーズンはまず、守備組織の安定がポイントだった。ビーレフェルト戦では相手のキーマンとなる堂安律にボールが入らないよう、中盤センターからハーフスペースを徹底的にケア。相手に決定機をほとんど許せなかったことは収穫だろう。

 問題は攻撃面だ。3試合でお世辞にもうまく機能しているとは言えない。ビーレフェルト戦で決勝点となったレオナルド・ビッテンコートのゴールは素晴らしかった。左サイドから大きなサイドチェンジ。ゴール前に走りこんだ右SBジャン=マヌエル・ムボムがダイレクトで折り返すと、ゴール前でボールを受けたビッテンコートがワントラップからのボレーで決めた。
 

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