• トップ
  • ニュース一覧
  • 「正直、悔しかった。でもね…」G大阪、倉田秋の芸術的ゴラッソに見た“ナンバー10の矜持”

「正直、悔しかった。でもね…」G大阪、倉田秋の芸術的ゴラッソに見た“ナンバー10の矜持”

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2020年09月06日

「溜まってるものがあったけど、ゴールで少しは解消された」

今季2点目に歓喜を爆発させる倉田(中央)。勝利を決定づけるスーパーゴールだった。(C)J.LEAGUE PHOTOS

画像を見る

[J1リーグ第14節]仙台 1-4 G大阪/9月5日/ユアスタ

 背番号10の決めたスーパーゴールが、ガンバ大阪を窮地から救い出した。

 土曜日にユアテックスタジアム仙台で開催されたベガルタ仙台戦。G大阪は先制されるも瞬く間に逆転に成功し、前半を2-1で折り返した。しかしながら後半は、スタートから防戦一方の展開を強いられる。リードを守りたいがあまりに極度にラインを下げてしまう悪癖が、またしても顔を覗かせていった。

【動画】倉田秋が仙台戦で決めた芸術的ゴラッソはこちら!

 そんななか迎えた73分、仙台サポーターを沈黙させる一撃をねじ込んだのが倉田秋だ。右サイドの小野瀬康介のクロスが跳ね返され、バイタルエリアにこぼれた球を素早く拾った元日本代表は、タックルを仕掛ける相手DFを軽くいなすと、狙いを定めて渾身のミドルを放つ。これが鋭い弧を描く絶妙なループショットとなって、仙台ゴールに吸い込まれた。倉田にとっては開幕戦以来となる、実に13試合ぶりのゴールだ。

 これで仙台は意気消沈する。さらに終盤に1点を加点したG大阪が今季最多得点となる4ゴールを挙げて、4試合ぶりの白星を掴んだ。絶え間ない献身的なフォアチェックで守備の貢献度も高かった倉田は、まさしくMOM級の働きでチームを快勝へと導いた。
 
 今季の倉田は14試合を戦ったチームにあって、全試合に出場している。だが、そのうち先発は6試合を数えるのみ。2018年が31試合で30試合の先発、2019年が31試合で21試合の先発だったことを考えれば、かなりのペースダウンと言わざるをえない。

 レギュラー落ちした、というわけではない。中盤センターの3枠には倉田のほか、新加入の小野裕二、井手口陽介、矢島慎也、遠藤保仁らが代わる代わる起用され、宮本恒靖監督は巧みな用兵で彼らを回しているのだ。そしてこのJリーグでも有数の分厚い選手層が、コロナ禍の過密日程でもなんとか上位に踏みとどまるチームを下支えしている。

 とはいえ、倉田にとって悩ましい状況であることに変わりはない。

「コンディション云々じゃないんですよ。ここ数年、ずっと試合に出てリズムを作ってたのが、久々に途中から出るのが多くなってたんで、単純に強い強度でやってる時間が少ないと感じてるんです。だから、自分のリズムを作るために強めの練習をやってる。コンディションが悪いとかじゃない」

 ずっと主軸を張ってきた者にしか分からない感覚なのだろう。倉田は日々のトレーニングにおいて、フィジカルコーチと相談しながら独自のハードメニューを消化しているという。それは宮本監督も知るところで、「難しく感じているのは分かっていたけど、そこは個人的に工夫して対処していた」とベテランの振る舞いを称え、「練習から見せてくれるパフォーマンスはしっかりしていたし、今日も良い時間帯であんなテクニカルなシュートを決められる。チームにとって大きなゴールでしたね」と続けた。

 もちろん、倉田にとっても一息つける一発となった。「正直、自分のなかで溜まってるものがあったけど、それがゴールで少しは解消されました」と微笑を浮かべて語り、「後半、押し込まれた時間で3点目がキーになると思ってたので、自分がそれを取れて良かった。チャンスは1本くらいあるかなと思ってたんでね。あれを決め切って、自分たちの流れにもっていけたわけやから」と、胸を張る。
【関連記事】
「三笘がまた2点? 浮かれてられない!」G大阪の大卒ルーキー、山本悠樹がJ1初先発で漂わせた“大物感”
【G大阪】やはり別格だった昌子源。“Jリーグ最強3バック”完成への道筋は見えたか
「ああいう日本人の若手はいない」遠藤保仁が久保建英を称える。鉄人の琴線に触れた“遊び心”
総勢14名はJリーグ屈指! なぜガンバ大阪はOBたちの“帰還”を推進するのか
ガンバが抱える問題は攻撃の形なのかメンタリティなのか…指揮官、主軸たちの考えは?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ