【横浜FC】「大敗している事実」をどう受け止めるか。指揮官にはブレない采配を期待

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年07月25日

「来シーズンに向けて」の準備が中途半端になれば…

直近2試合は計9失点で連敗も、選手たちには「ポジティブに前だけを向いていこう」と励ます。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 問題点の修正に着手するのか、できているところを伸ばそうとするのか。

 シーズンを戦いながらチーム作りを進めていく過程で、何を優先させるか、どこに力点を置くかは、指揮官によって考え方や手法に違いはあるはずだ。

 横浜FCは直近の2試合で計9失点し、連敗を喫している。5節の川崎戦は1-5、6節の横浜戦は0-4と厳しい現実を突きつけられた。もっとも、どちらの試合でも自分たちでボールを保持しながら相手を押し込む時間帯があり、そこでチャンスをモノにできていれば、勝点を得る結果になっていたかもしれない。

 下平隆宏監督は「この2試合、良い時間帯はあったにせよ、大敗している事実もある。選手たちに精神的なダメージは多少なりともあると思う。そこはケアしながら」と考える一方で、「ポジティブに前だけを向いていこうという話はしている」という。

 守備面の微調整はあるかもしれないが、それよりも重視するのは、今のチームは“何ができているか”だ。

「良い時間帯をどれだけ続けられるか。決定的な欠点があって、こうなっていると僕は思っていない。ちょっとした流れの中で、こういう結果になっている、と。そこをいかに食い止めて、自分たちの時間、ペースでサッカーができるかにトライしたい」
 
 攻撃では後ろからのつなぎを徹底し、相手を揺さぶりながら空いたスペースを突いてゴールを目指す。守備ではアグレッシブに前から奪いにかかる。攻守の両局面でアグレッシブかつ能動的なスタイルを掲げて、今季の横浜FCは上位進出を狙っている。

 下平監督にとって、今は我慢の時期かもしれない。目の前の勝点を度外視しているわけではないが、『降格なし』の特例ルールが適用されている以上、残留を考えずに「来シーズンに向けて」という目論みもある。ただその準備が中途半端になれば、スタイルの確立も不十分な状態で来季を迎えることになり、不本意な結末に終わるかもしれない。

 しっかりと足場を固めるためにも、今季はたとえ苦境に立たされてもブレない采配で、チームに揺るぎない強さをもたらしてほしい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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