【鹿島】「DFより絶対に一歩早くなる」“もらい手”の伊藤翔が考える得点力不足の打開策

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年07月24日

「“着地点”が各自でふわふわしていると上手くいかない」

ラスト3分の1をいかに攻略するか。伊藤は「“こういう時はここ”って決めてやってもいいかもしれない」と打開策を語る。(C)KASHIMA ANTLERS

画像を見る

 5節の横浜戦では4ゴールを奪取して今季初勝利を挙げたが、続く直近の湘南戦は0-1の完封負け。チャンスは作りながらも決め切れず、連勝は飾れなかった。

 7月24日のオンライン取材で得点面の課題について聞かれた伊藤翔は、「良い時は前に前にボールを運ぶ、前に出そうという意識があるけど、出せるのにやめちゃう、そこで取られて失点するのは嫌だしとか、悪い循環の中で戦っている」と応じた。

 FWとして最前線でスタンバイする伊藤も「このタイミングで欲しいっていう時はもちろんある」と感じつつ、「見ていてあえて出さないのか、出せなかったのか、見ていないのか。いろいろあるだろうけど、見ていて出さないなら“思い切り”は必要だと思う」と私見を述べる。

 さらに伊藤は「完成形っていうのが」というフレーズとともに、現状の攻撃面について次のように持論を展開する。

「こうなったらこのプレー、この一連のプレーが成功というふうに、共通理解ができていればいいけど、そこの“着地点”が各自でふわふわしていると上手くいかない。そこはもう少し、あてはめていってもいいだろうし、選手同士の話も必要だと思う」
 
 チームとして、同じ着地点にいかに到達できるか。どれだけ完成形をイメージして連動しながらゴールを陥れられるか。伊藤自身、「3分の2までは、ある程度、この位置に立って、こうやっていこうというのはある」と手応えを語る。問題は、そこから先。「それは去年も鹿島の課題だったと思うけど」と考えている伊藤は、ラストパスの受け手として、ひとつの改善策を口にする。

「出し手はここ、もらい手はここ、って決めておいたほうが、DFより絶対に一歩早くなる。先に動き出せるから、チャンスができたり、ゴールにつながったりする。即興性で相手より半歩でも先手を取れるかどうかは、今はちょっと難しいところもあるので、それだったら“こういう時はここ”って決めてやってもいいかもしれない」

 最終的に敵陣のバイタルエリアを攻略できなければ、安定しつつあるビルドアップも無用の長物になる。ゴールチャンスの頻度とともに、フィニッシュの確率をさらに高めるために、ラスト3分の1のパターン化は得点力不足を解消する一手になるかもしれない。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

【PHOTO】チームの歴史が一目でわかる!鹿島アントラーズの「歴代集合写真」を一挙紹介!
【関連記事】
「これは痛い!」「緊急事態」鹿島のFW上田綺世が右足関節挫創で全治1か月と診断
【J1採点&寸評】湘南1-0鹿島|ベテランのしたたかな決定力でリーグ初勝利! J1初出場の若手GKも攻守で光る
【鹿島】ビルドアップもゴールも両立させるために、CF伊藤翔は「スプリントを繰り返す」
【鹿島】大不振が嘘のような大量4ゴール! “ケチャドバ”をもたらしたザーゴ監督の起死回生の一手
【鹿島アントラーズの最新序列】公式戦まさかの5連敗…引っ張るのか見切るのか、注目のエリアは?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ