新型コロナウイルスによるシーズン中断は、トッテナムの韓国代表FWソン・フンミンに新たな経験をもたらした。４月に母国で３週間にわたる軍事訓練に参加したのだ。

　2018年のアジア大会にU-23韓国代表の一員（オーバーエイジ枠）として出場し、見事に金メダルを獲得し、韓国の成人男子に義務付けられている20か月の兵役をスポーツ選手に対する特例でクリアしたソン・フンミン。だが、全てが免除されるわけではなく、基礎軍事訓練を受ける必要があったため、４月20日から３週間に渡る海兵隊の新兵訓練に参加した。

　現在27歳の彼にとって、特別訓練は、どのようなものだったのか。トッテナムの公式チャンネルのインタビューに答えたソン・フンミンは、「特別な経験だった」と振り返っている。

「（訓練で）やったことのすべてを話すことはできない。でも、本当に楽しんだよ。みんなナイスな人たちだった。３週間はキツかったさ。でも、ああいう経験は……二度とああいった経験をすることはないだろうね。とにかく３週間、楽しもうとしたよ」

　さらにソン・フンミンは、「初日はお互いのことを知らないし、少し変な感じだった。でも、すぐにお互いのことを知るようになったよ。毎日一緒に過ごさなければいけなかったからね。同じ部屋に10人だ。とても近い。一緒に仕事をし、互いを助け合った」と続けている。
 

「ファンタスティックな時間だったよ。初日や２日目は、みんな僕に話しかけることもできなかった。でも、その後はジョークを言ってくるようになったし、最後は全員一緒に楽しんだよ。良い経験だった」

　今年２月のアストン・ビラ戦で腕を骨折し、それから戦列を離れていたソン・フンミン。それだけに「とても忙しい３か月だった」とも語っている。

「ビラ戦の後はすごく気分が悪かったよ。どれほどひどいケガか分かっていなかった。病院に行って検査をして、ショックだった。あっという間の３か月だったよ。軍事訓練もしたしね。行かせてくれたクラブに感謝している。調子を整えて戻ってこられるようにしてくれたファンにも感謝だ」

　プレミアリーグは６月17日に再開予定となっている。現在８位のトッテナムは、来シーズンの欧州カップ戦出場権争いの真っただ中にあるだけに、ソン・フンミンがどれだけ貢献できるかに注目が集まっている。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部