【新潟】「アルビでやってきたプレーを海外でも」田中亜土夢が決意の渡欧へ

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェスト編集部

2015年01月26日

「不安はない。必要とされるところに行きたい」と田中。

新潟で通算200試合に出場し17得点を記録した田中。攻守のスイッチを入れる選手として新潟の中盤を支えてきた。(C) Getty Images

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 1月12日、新潟の顔と言っても過言ではない田中亜土夢の退団が発表された。その理由は「海外挑戦」。昨季はクラブ史上初めて日本人で10番を背負い、ここ数シーズンは不動のサイドハーフで「攻守のスイッチを入れる」(柳下監督)選手だっただけに、大きな衝撃が走った。
 
 それから約2週間。全国高校選手権で準優勝した母校の前橋育英などで身体を動かしていた本人が新潟に戻り、胸の内を明かした。「サッカー人生は短い」。その言葉を繰り返しながら「昔から海外に挑戦したいという気持ちがあったので決断した。人間としても選手としても成長したい」と退団を決意した理由を語った。
 
 海外移籍の想いを強くしたのは、新潟で定位置を確保しはじめた2011年頃からだという。「Jリーグを経験して海外に行きたいという気持ちがあった」と言い、実際に近年はクラブが打診した複数年契約を断り、単年で契約してきた。
 
 昨年1月にはドイツ2部リーグ(当時)のコットブスに練習参加。「自分らしいプレーが出せた」と手応えを口にし、海外でのプレーを現実的に捉えるようになった。
 
 海外挑戦の想いを徐々に強くするなかで、昨夏にはクラブから契約更新を求められたものの、そのオファーを保留していた。特別指定選手だった2005年を含めて10年目、そして最終節でJ1通算200試合出場を達成した昨季を「いい区切り」として、シーズン終了後すぐに退団を決め、クラブにその意思を伝えた。
 
 今年28歳。年齢的にも海外移籍を目指すには「ラストチャンス」と考え、このタイミングで決断に踏み切った。
 
 その胸中の根本にあるのは「上手くなりたい」という向上心だ。新潟一筋で「他のチームを知らない」ことから、「環境を変えて、違う経験ができれば変わる。成長できる」と新たな刺激がステップアップのきっかけになると強調する。
 
 もちろん新潟の環境に不満があるわけではなく、このまま新潟にいても成長できるとは感じている。ただ「迷いはなかった」と話すように、故郷でもある新潟から飛び出し、あえて厳しい環境に身を投じることが、後悔のない選択だった。
 
 しかし移籍先は決まっていない。「チームに迷惑をかけてはいけない」からと移籍先未定のままでの退団発表となり、現在も探している状況だ。欧州を移籍先と考えているようで、そうだとすれば1月31日が移籍期限の目安となる。
 
 本人は「いろいろな動きに対応したい」と渡欧してオファーなどを待つようだが、A代表歴がない中堅選手をシーズン途中の欧州クラブが獲得を目指すとは考えにくい。現実的には練習生などからチームに参加し、契約を勝ち取っていくしかないだろう。それでも、「不安はない。必要とされるところに行きたい」と言い切る。
 
 時間は限られている。それでも退路を断った新潟のアストロボーイは「アルビでやってきたプレーを海外でも見せたい。自分の特長を出すことしか考えていない」と前だけを見据えている。飛躍への新たな一歩を踏み出せるか、注目したい。

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