【天皇杯決勝】どうした鹿島? 神戸戦の完敗を受けて内田が示した“強者の定義”

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2020年01月01日

「ほとんど何もできないまま終わってしまった」(永木)

試合後、表彰式で悔しい表情を見せた内田。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[天皇杯決勝]神戸2-0鹿島/1月1日/国立

 どうした鹿島? そう感じざるを得ない敗戦だった。天皇杯の決勝で神戸に完敗を喫した事実は、内田篤人の次のコメントからも窺える。

「神戸はたいして手を焼いていなかったと思うよ。ベンチから見ていて、(鹿島がゴールを)取れるのはセットプレーくらいかなという感じだった」

 確かにそのとおりで、試合は前半から神戸ペースで進んだ。立ち上がりの5分間、後半頭から15分程度は鹿島に攻め込まれたが、ボランチの山口を軸に強固な守備ブロックを築いてゴールを許さなかった。結局、18分のオウンゴール、38分の藤本の得点で2-0と勝利したわけだが、神戸の完勝と言っていい内容だった。

 決勝でこそ勝負強さを発揮するのがかつての鹿島だった。それが、この日はチームの歯車がほとんど噛み合わないまま敗戦。アントラーズらしくない、そう思ったのは決して私だけではないだろう。実際、永木もこんなコメントを残している。

「ほとんど何もできないまま終わってしまった。後半からフォーメーションを(4-4-2から3-4-2-1)に変えて上手くいった部分はありますが、追いつく力はなかった。不甲斐ないというか、情けないというか、そういう気持ちでいっぱいです」
 
 果たして、驕りはあったのだろうか。

「(今日出場した)自分たちが20冠を築いたわけではないですし、昔の選手たちがそういうものを作り上げてくれたなかで変な自信を持っていたのかもしれないし、決勝に来たら勝てるかもしれないという慢心もあったかもしれない。それは分からないですけど、結果、2019年シーズンは無冠に終わってしまったので、それは重く受け止めないといけない。自分たちの責任として感じないといけない」(永木)

 一時は4冠の可能性があった2019年シーズン、終わってみれば無冠……。これは「常勝軍団」の終焉を意味するのだろうか。もちろん、無冠に終わったシーズンは過去にもあった。「終焉」という言葉を用いるのは適切ではないかもしれないが、危機的状況に直面しているのは間違いないだろう。

 内田がこだわるのは過程ではなくあくまで結果だ。

「強くなって勝つんじゃなくて、勝って強くなる。俺が思うに、結果が先なんだよ。勝たないと強くならない。強いから勝つんじゃなくて。勝たないと強くならない」

 キャプテンの言葉はチームメイトに響くだろうか。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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