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【2014Jユースカップ】“走る、戦う、声を出す” 栄冠に輝いた鹿島ユースのスタイルを体現した大型SB

カテゴリ:高校・ユース・その他

平野貴也

2014年12月24日

アントラーズジュニアでの日々が“声を出す”スタイルを作るきっかけに。

先制点を奪った右SBの寺門。鹿島のコンセプトを体現したプレーでチームに貢献した。

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 相手より走る、球際で勝つ、苦しい時に声を出す――。G大阪ユースをPK戦の末に破り、2004年以来三度目の日本一に輝いた鹿島ユース。そのチームのコンセプトを体現し、得点も奪う活躍を見せたのは183センチの右SB寺門宥斗だった。42分には、左サイドのFKをヘディングで合わせて鮮やかに先制点を突き刺した。
 
 準決勝に続いて2試合連続でヘディングシュートを決めた寺門は「ニアは、自分が入るポイントとして練習してきた。今季はプレミアリーグEASTでもニアで点を取っていたので、そこに出してくれれば点を取る自信はあった。あの場面は、ボールが来ると信じていた。味方が1人、自分のマークをブロックする動きをしてくれて、フリーで(ニアのスペースに)入ることができたので、合わせるだけだった」と自信を持って放った一撃を振り返った。
 
 ただ、寺門のヘッドは、得点以外の場面でも威力を発揮した。低いボールの競り合いに頭から飛び込み、相手に蹴り上げられそうになった場面が印象的だったが、球際で相手より先にボールを触るためのヘディングも随所に見られた。先制の一撃は、セットプレーにおける得点源の役割を果たしただけでなく、「球際で勝つ鹿島」を象徴するプレーであり、1点だったとも言える。
 
 しかし一転、後半には相手のドリブル突破を阻んだ寺門がファウルの判定を受けて、PKを献上。これを決められて同点とされ、PK戦までもつれ込む要因となった。
 
 それでも、寺門は気落ちすることなく声を出し続けて、チームを鼓舞していた。常に声を出すというのも寺門が持ち味とするスタイルだが、これを身につけたのは、小学生時代に1年間だけ過ごしたアントラーズジュニアでの日々がきっかけだという。
 
「声を出すのは、小さい頃から意識している。チームが苦しい時に、自分のことに精一杯になるのではなく、一度チーム全体のことを見ることは大切にしている。小学生の時、アントラーズに入ったら、周りのレベルが高くて、自分には何ができるんだろうと考えた時に、声を出すことが一番貢献できると気づいた」と話す。
 
 小学5、6年生の時は通うのが大変だったために別のチームに所属したが、中学生になって再び鹿島の門を叩いた。

 今のプレースタイルは、鹿島というクラブによって築き上げられたと言っていいだろう。鹿島に来て、自分自身の何が変わったかと尋ねると、寺門は「今の(時代の)サッカーは、どうしてもポゼッションとかそういう話をしがちだと思うけど、熊谷(浩二)監督はそういうことではなくて『やるべきことをやる』ということを毎日、問いかけてくれた。ピッチの中なら走ること、声を出すこと、戦うこと。どんな状況でも、コンディションが悪くても『できることをまずやれ』と言われた。それに、ピッチの中だけでは最後の大事な時にボロが出るとも言われて、ピッチ外でもあいさつや身だしなみなど人としてやるべきことをしっかりやるように言われて、成長できたと思う」と答えた。
 
 卒業後は、大学でサッカーを続ける。戦うこと、勝つことを大事にする――そのための考え方や行動を学び、日本一に輝いた寺門は「鹿島で学んだことを続けて、4年後にはプロになりたい」と次の目標を口にした。
 
取材・文:平野貴也(フリーライター)
 

鹿島ユースが2004年以来三度目となるJユースカップ制覇を成し遂げた。

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